目次
概要版
VisionColor のプロフェッショナル向けカラーグレーディング — 製品概要と価値提案
VisionColor は、アナログフィルムのニュアンスをデジタル制作ワークフローにもたらす 3D LUT ライブラリを提供します。ソフトウェアベースのツールである ImpulZ(本格的なアナログ・フィルムエミュレーション LUT)と OSIRIS(シネマティック・ルック LUT)は、ログ撮影から仕上げまでのプロセスを効率化し、編集/フィニッシング/VFX 間で再現性の高いルックを実現します。LUT は .cube 形式で、DaVinci Resolve、Adobe Premiere Pro/After Effects/Photoshop、Final Cut Pro(Color Finale 経由)、Affinity Photo、VEGAS Pro(バージョンによりプラグインが必要な場合あり) など、対応ホストにそのまま読み込めます。
製品概要
- ImpulZ — Kodak Vision3 などの 映画用ネガや静止画用フィルムの特性をデジタルに写像。Cineon/LOG ワークフロー、プリントフィルム(例:Kodak 2383)のエミュレーション、Rec.709/LOG 向けのカメラ別プリセットを備え、創造的グレーディング前の正確な変換段を提供。
- OSIRIS — アナログフィルムのスキャンを基にした シネマティック・ルックを収録。LOG 用と Rec.709 用を別パッケージで提供し、混在カメラ環境の色空間変換に役立つユーティリティ LUT も同梱。
選ばれる理由
- 標準準拠かつホスト非依存:.cube が読み込める環境なら広く運用可能。ACES/Cineon 系のパイプラインとも親和。
- 運用効率:一定のトランスフォームにより手戻りを削減し、分散チームの承認をスピードアップ。
- ガバナンスとサポート:購入・更新・ライセンス移行は Color.io アカウントで一元管理でき、企業内の調達とバージョン管理を簡素化。
差別化(一般論)
プラグイン中心のスイートがハレーション/ブルーム/粒子エンジン等を内包するのに対し、VisionColor は 高忠実度の LUT ライブラリに注力。軽量で NLE/VFX 非依存の運用を維持しつつ、必要に応じてホストの標準ツールや既存プラグインを組み合わせられます。
想定ユースケースと成果
- 企業映像や広告で、複数カメラ間でも一貫した“フィルム的”トーンを標準化。
- グローバル展開する内製チームのルック統一。
- ポストや代理店でのショールック運用。
期待できる効果:初稿までの時間短縮、シーン間の色ブレ低減、編集↔仕上げ↔VFX の受け渡し簡素化。
詳細ガイド
製品概要と価値提案
編集・フィニッシング・VFX の各工程で高品質かつ再現性のあるカラーを求める組織に向け、VisionColor はアナログフィルムの挙動を正確に再現する 3D LUT ライブラリを提供します。アプローチは ホスト非依存かつ Cineon/ACES/Rec.709/LOG といった標準と整合し、社内情報システム部門、ポストスーパーバイザー、導入の意思決定者が管理するマルチ OS/マルチ NLE 環境に適します。
キーバリュー
- 映画用・静止画用フィルムの本格エミュレーション(ImpulZ)
- 即戦力のシネマティック・ルック(OSIRIS)
- .cube による広範な相互運用(Resolve/Adobe/FCP(Color Finale)/Affinity/VEGAS Pro(バージョン依存) ほか)
- 運用の簡素化:購入・更新・ライセンス移行を Color.io で一元管理
- スケーラビリティ:単独編集者から企業全体のショールック標準化まで対応
製品紹介
VisionColor が提供するもの
VisionColor は、色再現性・トーンのリアリティ・現代的ワークフローでの使いやすさに重点を置いた 3D LUT を開発。世界中の映像制作者に採用されています。
リセラー向けの製品フォーカス
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ImpulZ — アナログ・フィルムエミュレーション LUT ライブラリ
- 映画用ネガ(Kodak Vision3 など) や静止画用フィルムの挙動を再現
- LOG/Rec.709、Cineon 方式、プリントフィルム(例:Kodak 2383/Vision Premier 2393) に対応
- カメラ別の事前キャリブレーションにより、創造的グレーディング前の整合を実現
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OSIRIS — シネマティック・ルック LUT
- アナログフィルムのスキャンを土台に、プロのグレーディングで仕上げた即戦力のルックを収録
- LOG/Rec.709 を別パッケージで提供
- 混在カメラ環境の色空間変換に役立つユーティリティ LUTを同梱
インストーラー/管理者/編集者向け:VisionColor の LUT は 導入が容易。たとえば OSIRIS はライセンスキー不要で、LUT フォルダを所定ディレクトリに配置すればすぐに使用できます(詳細は 実装と導入 を参照)。
製品詳細
ImpulZ — 真のアナログフィルムエミュレーション
コアコンセプト
ImpulZ はデジタル映像をアナログフィルムの応答特性へと写像します。映画用ネガ(ECN-2) と プリントフィルム のルックに加え、Kodak/Fujifilm 系の人気ネガをカバー。LOG ベースの HDR、Cineon、および プリントフィルム(Kodak 2383/Vision Premier 2393) のエミュレーションに対応し、コントラストや彩度をコントロールしやすい“大画面”のトーンを得られます。
技術ハイライト
- Cineon/LOG ワークフロー:ノード/レイヤー型パイプラインに組み込み、ACES と併用も容易
- カメラ別プリセット:Rec.709/各種 LOG プロファイルに適合
- .cube 形式:Resolve、Adobe アプリ、FCP(Color Finale)、Affinity、VEGAS Pro(バージョンによりプラグインが必要な場合あり) ほかで使用可能
- プリントフィルムの再現:2383/2393 による上映用プリント段のカーブを適用
- スケール:ブランド・キャンペーン・連続案件で再現性のあるトランスフォームを構築
代表的なフィルムファミリー(例)
- 映画用ネガ(ECN-2):Kodak Vision3 50D 5203/200T 5213/250D 5207/500T 5219
- 静止画用ネガ(例):Ektar 100/Ultramax 400/Fujicolor 200/Pro 400
- プリントフィルム:Kodak 2383/Vision Premier 2393
主な利用者像
- 企業映像チーム:フィルムストックに忠実なベースラインでブランド映像を安定化
- 代理店・ポスト:カメラ・季節・ロケーションが異なる案件でもショールックを維持
- 撮影監督:Cineon/ACES 互換の出発点から創造的グレーディングへ
クイックスタート
- Core Library と必要に応じて Extension Patches(追加カメラ対応)をダウンロード
- 使用ホストの LUT ディレクトリへ配置
- How-To シミュレーターで LOG とプリントフィルムのターゲットを試し、最適な開始点を選択
OSIRIS — シネマティック・ルック・ライブラリ
コアコンセプト
OSIRIS は、アナログフィルムのスキャンをもとにプロが仕上げた シネマティックな LUT 集。ワンステップで“制作に使える”画作りができ、短納期の編集やピッチ映像、ブランドコンテンツに最適です。
技術ハイライト
- LOG/Rec.709 を別パッケージ:撮影のコントラスト特性に最適化
- ユーティリティ LUT:混在カメラの色空間変換を支援
- ライセンス/導入の簡便さ:ライセンスキー不要。LUT フォルダを配置して即使用
- 対応ソフト:Resolve、VEGAS Pro(バージョン依存)、Color Finale(FCP)、Affinity、Lattice、Magic Bullet Looks、その他 .cube 読み込み対応ホスト
典型用途
- 企業・製品映像:最小限の作業で映画的ルックを付与
- ソーシャル/キャンペーン:公開までの時間を重視しつつ色品質を担保
- 複数拠点の編集:一貫したルックをチーム横断で共有
導入メリット
技術・運用上の利点
- ホスト非依存のデプロイ:標準 .cube により NLE/カラーアプリ/画像編集間で相互運用
- 標準との整合:Cineon/ACES/LOG/Rec.709 の各パイプラインへ容易に適合
- 調達とガバナンス:購入・ダウンロード・更新・ライセンス移行を Color.io で一元管理
- パフォーマンスと安定性:重いプラグイン群に比べて軽量で、タイムラインを堅牢化
- セキュリティ姿勢:ドライバや常駐サービスを追加しないため、セキュアな編集環境でも検証しやすい
ビジネス成果
- 承認の迅速化:フィルムストック由来の一貫した基準でリテイクを削減
- ブランド一貫性:地域・ベンダー・納品形態をまたいでもトーンを統一
- コスト予見性:基本変換に追加プラグインを必須としないため運用がシンプル
- 人材活用:高度なカラー教育がなくてもプロ品質に近づける
ユースケース
企業コミュニケーション&ブランドフィルム
- 課題:イベント/地域/機材が変わってもビジュアルシグネチャを維持
- 解決:ImpulZ を基準化し、キャンペーンごとに OSIRIS で差別化
- 運用:承認済み LUT をテンプレートとして世界の編集チームに配布
- 効果例:ImpulZ→2383 ベースで色レビューの往復が 30〜40% 減少
プロダクト発表/デモ動画
- 課題:混合照明のテックデモで色の一貫性と短納期を両立
- 解決:Rec.709 ソースには OSIRIS の 709 版、LOG 撮影には LOG 版を適用
- 効果例:初稿までの所要時間を約 25% 短縮
研修・イベント・ソーシャル
- 課題:キーノートや速報編集での即応性
- 解決:ショールックを取り込みテンプレ化。軽量な LUT 運用でオフサイト編集にも対応
- 効果例:肌色の安定とローカライズ受け渡しの簡素化
ポストハウス/代理店
- 課題:複数 DP と多様なカメラセットを横断
- 解決:ImpulZ のカメラ別 LUT で正規化し、仕上げでプリントフィルム(例:2383)を適用
- 効果例:シーン間整合の向上とコンフォームの円滑化
実装と導入
対応ホストとインストール
- 対応環境(例):DaVinci Resolve、Adobe Premiere Pro、After Effects、Photoshop、Final Cut Pro(Color Finale 経由)、Affinity Photo、VEGAS Pro(バージョンによりプラグインが必要な場合あり)、Lattice、Magic Bullet Looks、ほか .cube 対応ホスト
- OSIRIS の導入手順
- ソースに合わせて LOG または Rec.709 パッケージを選択
- LUT フォルダをホストの LUT ディレクトリへコピー
- ライセンスキー不要で即使用開始
- ImpulZ の入手と拡張
- Core Library と Extension Patches(追加カメラキャリブレーション)を取得
- 必要に応じて Film Grain を活用
- Color.io アカウントで更新管理
ガバナンスとチェンジマネジメント
- 調達:Color.io アカウントに購入とライセンスを集約
- バージョニング:Approved LUTs の共有リポジトリを参照専用で配布
- テンプレート:NLE プロジェクトに LUT ノード/レイヤーをあらかじめ配線
- トレーニング:LOG/Rec.709 の使い分けとプリントフィルム運用を 1 枚に要約した Look Bible を用意
競合との差別化
- プラグイン中心のスイートは、ハレーション/ブルーム/粒子/ダメージ等の“総合的なアナログ表現”を一括提供できますが、ホストごとのプラグイン依存やライセンス管理の煩雑さ、パフォーマンス負荷が生じがち。
- VisionColor の LUT ファーストなアプローチは、軽量・中立・相互運用性を重視。必要に応じてホスト標準機能や既存の効果プラグインを任意に追加でき、ガバナンスやマルチアプリ運用に適します。
- 選び分け:特殊効果の自由度を重視する仕上げ工程ではプラグイン中心も有効。一方で、ベースラインの統一・組織的な再現性・運用負荷の低減を優先する場合は LUT ファーストが有利。
FAQ
Q. どのホスト/形式に対応していますか?
A. .cube LUT を読み込めるアプリなら使用できます(DaVinci Resolve、Adobe Premiere Pro/After Effects/Photoshop、Final Cut Pro(Color Finale)、Affinity Photo、VEGAS Pro(バージョン依存)、Magic Bullet Looks、Lattice ほか)。
Q. LOG と Rec.709 の両方に対応しますか?
A. はい。ImpulZ は Cineon 方式の LOG 中心ワークフローと Rec.709 オプションを提供し、OSIRIS は LOG/Rec.709 を別パッケージで提供、さらにユーティリティ LUT も同梱します。
Q. OSIRIS はライセンスキーが必要ですか?
A. 不要です。 LUT フォルダを所定のディレクトリに配置するだけで使用できます。
Q. 既存のプラグインと併用できますか?
A. 可能です。VisionColor の LUT をベースラインに据え、ホスト標準のツールや既存のプラグイン(粒子、ハレーション等)を任意の工程で追加できます。
Q. プリントフィルムのエミュレーションはありますか?
A. ImpulZ に Kodak 2383/Vision Premier 2393 のようなプリントフィルム・エミュレーションが含まれます。
Q. なぜプラグインのみより LUT ライブラリなのですか?
A. 可搬性・ガバナンス・パフォーマンスの観点です。LUT は多様なホストで共通に使え、ライセンスサーバやホストごとのバージョン依存を避けやすいため、組織的な標準化に向きます。


