目次
製品概要と価値提案
Stanford Business Software, Inc.(SBSI) が提供する SOL 最適化スイート は、連続最適化に特化した 6 種の Fortran ベース・ソルバー MINOS/SNOPT/NPSOL/LSSOL/QPOPT/SQOPT で構成されます。線形計画 (LP)、2 次計画 (QP)、滑らかな非線形計画 (NLP) をカバーし、疎・密、凸・非凸、大規模・中規模など問題構造に応じたアルゴリズムを備えています。
- アルゴリズム最適化 – 問題特性に応じて疎行列・密行列処理を選択。
- 堅牢性 – 航空宇宙、金融、エネルギー、設計最適化など産業現場で長年実証。
- 柔軟なライセンス – 学術・商用・OEM の 3 段階。
導入企業は、高速な意思決定 と 定量的なコスト削減 を実現し、属人的な判断から数理モデル駆動へ転換できます。
製品紹介
2.1 MINOS — 大規模線形・2次・非線形最適化
- 対象:疎な LP/凸・非凸 QP/滑らかな NLP(主に線形制約)。
- アルゴリズム:LP では 2 段階プリマルシンプレックス、NLP では 縮小勾配+拡張ラグランジュ 法。
- 特長:制約が多く活性となる問題に強い。数千変数規模まで実績。
- 統合:Fortran・C 呼び出し、MATLAB MEX、AMPL/GAMS/TOMLAB。
- 最適性保証:凸問題では大域最適、非凸では局所最適。
2.2 SNOPT — 疎な大規模非線形最適化
- 対象:疎な NLP(LP/QP を含む)。
- アルゴリズム:疎行列 SQP+制約違反を最小化する エラスティックバウンド。
- 用途:航空宇宙の軌道最適化、最適制御、ロボティクス。
- 統合:Fortran/C++/MATLAB、AMPL/GAMS/TOMLAB。
- 最適性保証:一般 NLP では局所、凸 LP/QP は大域。
2.3 NPSOL — 中規模密行列非線形最適化
- 対象:密な NLP/QP(数百変数程度)。
- アルゴリズム:密行列 SQP+拡張ラグランジュ評価関数。
- 用途:エンジニアリング校正、経済均衡モデル、医用設計。
- 統合:Fortran/MATLAB MEX/C ラッパ。
2.4 LSSOL — 制約付き最小二乗・凸2次計画
- 対象:線形最小二乗+線形制約、密な凸 QP/LP。
- アルゴリズム:最小二乗構造に特化したアクティブセット法。
- 用途:制約付き回帰、システム同定、放射線治療計画。
2.5 QPOPT — 密な2次計画(凸・非凸)
- 対象:密な LP/QP(凸・非凸)。
- アルゴリズム:安全なアクティブセット法(ユーザ定義の Qx 乗算で構造活用可)。
- 最適性保証:凸では大域、非凸では安定な局所解。
- 用途:ポートフォリオ最適化、MPC サブ問題、経済ストレステスト。
2.6 SQOPT — 大規模疎LP/凸QP
- 対象:非常に大きな疎 LP/凸 QP(多数制約が活性)。
- アルゴリズム:疎行列アクティブセット/SQP 変形、L1 ノルム近似を含む。
- 統合:SNOPT に同梱、Fortran/C API、AMPL/GAMS 等。
導入メリット
メリット | IT 部門への価値 | SOL スイートの強み |
---|---|---|
意思決定の高速化 | LP/QP/NLP を分単位で解き、シナリオ分析を短縮 | ウォームスタートと問題構造別エンジン |
コスト・資源最適化 | 燃料・在庫・リスクを最小化 | 産業界での実証例が豊富 |
スケーラブル性能 | 数百〜数十万変数まで同一コードで対応 | 疎用 (MINOS/SNOPT/SQOPT) と密用 (NPSOL/LSSOL/QPOPT) |
数値安定性 | 収束失敗が少なく、非実行可能時も弾力処理 | エラスティックバウンド手法 |
柔軟な統合 | Fortran/C/C++、MATLAB、MPS、AMPL/GAMS 等 | ソース配布で組み込み容易 |
将来保証 | 学術・商用・OEM ライセンスと開発元サポート | Stanford OTL と SBSI が継続開発 |
ユースケース
- 航空宇宙軌道最適化 (SNOPT) – 数千制約を持つ打上げ・再突入軌道の燃料最適化。
- ポートフォリオリスク最少化 (QPOPT) – 凸リスク関数で効率的フロンティアを算出。
- 電力系統スケジューリング (MINOS+SQOPT) – 非線形燃料費曲線+大規模 LP 緩和。
- 設計パラメータ校正 (NPSOL/LSSOL) – 非線形制約付き高精度キャリブレーション。
- 制約付きカーブフィッティング (LSSOL) – 安定性制約を含む制御系同定。
FAQ
Q1. どのソルバーを選べばよいか?
問題タイプ | 疎・大規模 | 密・中規模 | 備考 |
---|---|---|---|
LP | SQOPT / MINOS | LSSOL | SQOPT はアクティブセット |
凸 QP | SQOPT | LSSOL / QPOPT | 大域最適保証 |
非凸 QP | – | QPOPT | 局所最適 |
NLP(主に線形制約) | MINOS | – | 拡張ラグランジュ |
NLP(強い非線形) | SNOPT / NPSOL | – | SQP & メリット関数 |
Q2. 整数変数は扱えるか?
直接は不可。外部のブランチ&バウンドなどで連続緩和部分を本スイートで解く手法が推奨されています。
Q3. 大域最適性は保証されるか?
凸な線形計画(LP)、凸な二次計画(QP)、および最小二乗問題においては、Stanford Business Softwareのソルバーは大域最適解を保証します。
一方で、非線形問題や非凸な二次計画問題においては、ソルバーは局所最適解を求める方式を採用しており、大域最適性は保証されません。
Q4. Python や .NET との統合は?
ソルバーはFortran/CのAPIとして提供されており、Pythonではf2pyやctypes、.NETではDLLラッパーを通じて利用可能です。ただし、Pythonや.NET向けのネイティブ実装は提供されていません。
サマリー
Stanford Business Software, Inc. が配布する SOL 最適化スイート は、Stanford 大学と UC San Diego の研究成果に基づく 6 種の Fortran ソルバーで構成される。MINOS と SNOPT は大規模 LP/QP/NLP を対象とし、MINOS はプリマルシンプレックスと拡張ラグランジュ技術を組み合わせ、SNOPT は疎行列 SQP と弾力制約処理を採用する。NPSOL は中規模・密行列の高非線形モデル向けに密行列 SQP を提供。LSSOL は制約付き最小二乗・凸 QP に特化し、密な線形代数で高速かつ安定に収束する。QPOPT は凸・非凸を問わない密 QP を扱い、凸の場合は大域最適、非凸でも安定局所解を返す。SQOPT は疎行列アクティブセット法で巨大な LP/凸 QP を高速に解く。
全ソルバーは Fortran ソースコード として提供され、Fortran、C/C++、MATLAB(MEX)、および AMPL・GAMS・AIMMS・TOMLAB などのモデリング言語から呼び出せる。これにより、企業は最適化をエンタープライズ分析、リアルタイム制御、クラウドワークフローへ直接組み込める。凸モデルでは大域解を、非凸モデルでも高品質な局所解を返すため、意思決定に信頼性をもたらす。ウォームスタート機能は「もしも」のシナリオ解析を加速し、弾力制約は非実行可能ケースでも有用な情報を提供する。
航空会社と宇宙機関は SNOPT で燃料を最小化し、エネルギー事業者は MINOS と SQOPT で発電コストを抑制、ヘッジファンドは QPOPT でリスクとリターンを最適化し、製造業者は NPSOL で設計を軽量化するなど、導入企業は 実証済みの ROI を得ている。問題構造別に最適化エンジンを使い分けることで、「万能だが妥協的」な手法より高精度で高速な解が得られる。
ライセンスは学術・商用・OEM の 3 段階。開発元と研究者による継続サポートにより、将来にわたり安心して利用できる。SOL スイートは データを最適な意思決定へ変換 し、企業の俊敏性・効率・競争力を高める不可欠な数理インフラとなる。
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メーカーの製品サイト
http://www.sbsi-sol-optimize.com/index.htm
【言語】英語