Passware要約
Passware ソフトウェア概要と提供価値
Passware は、パスワード復旧、暗号化データへのアクセス、Windows アカウントリセット、フルディスク暗号の復号、モバイルデバイス解析、デジタルフォレンジックまでをカバーするソフトウェア製品群です。単一用途のツールとしてではなく、用途や運用規模に応じて選べる段階的なラインアップとして構成されている点が大きな特長です。
エントリークラスでは、日常業務で発生しやすい文書ファイルや Windows ローカル環境のアクセス回復に対応し、上位クラスではアーカイブ、PDF、Outlook、パスワードマネージャー、サーバー環境、暗号化ファイル検出、フルディスク暗号、分散処理、フォレンジック向けワークフローまで対象が広がります。さらに、最上位クラスではモバイルフォレンジックやハードウェア保護デバイスへの対応も含まれます。
主な製品群は以下のように整理できます。
- Passware Kit Basic は、基本的なパスワード復旧とローカル Windows アカウントリセット向けの入門版です。
- Passware Kit Standard / Standard Plus は、Office 文書、アーカイブ、PDF、Outlook などの一般業務ファイルに加え、QuickBooks、FileMaker、パスワードマネージャー、Windows Server 管理者パスワードの扱いまでを視野に入れた上位版です。
- Passware Kit Business は、暗号化ファイルの検出、復旧難度の把握、バッチ処理、Resource Manager、分散・クラウド処理などを備えた業務向け上位版です。
- Passware Kit Forensic は、コンピュータ中心のデジタルフォレンジック向け製品で、電子証拠の解析、メモリ解析、フルディスク復号、複数対象の一括処理に適しています。
- Passware Kit Mobile は、対応する Android と iPhone を対象にしたモバイルフォレンジック製品です。
- Passware Kit Ultimate は、コンピュータ、ディスク、ファイル、モバイル、デバイス復号までを一つにまとめた最上位製品です。
このほか、Windows Key、QuickBooks Key、FileMaker Key、Excel Key、Word Key、PDF Key といった単機能製品や、分散処理用の Passware Kit Agent、ハードウェア保護デバイス対応を拡張する Device Decryption Add-on、組み込み開発向けの Passware Kit Forensic .NET SDK も用意されています。
Passware の導入価値は、単にパスワードを試すだけではなく、暗号化対象の検出、攻撃方式の選択、GPU 活用、複数マシンへの分散、バッチ処理、再利用可能なパスワード履歴の活用までを一つの製品群で管理しやすい点にあります。日常業務の継続性確保から、企業内調査、法務対応、デジタルフォレンジックまで、広い範囲で活用しやすい製品ポートフォリオです。
Passwareについて
Passware ソフトウェア概要と提供価値
Passware は、IT 運用、情報管理、調査、フォレンジックの現場で発生する「暗号化されたデータに対して、正当な権限のもとでアクセスを回復・解析・復号したい」という課題に対応するソフトウェア製品群です。単なるパスワード復旧ツールとして捉えるよりも、文書ファイル、Windows アカウント、暗号化コンテナ、フルディスク暗号、モバイルデバイス、分散処理、SDK 連携までを含む段階的なプラットフォームとして理解する方が適しています。
実際の業務環境では、問題は一種類に限られません。退職者が残した Excel ファイルにアクセスできないケースもあれば、サーバーや端末上に存在する暗号化ファイルを事前に洗い出したいケースもあります。調査部門では、ディスクイメージ、メモリ、パスワードマネージャー、アーカイブ、PDF、メールデータ、モバイル端末をまたいで同時に対応しなければならない場面もあります。Passware はこうした複数の実務シナリオに対して、用途別・規模別の製品を用意しています。
ラインアップは大きく、基本的な復旧用途に向く下位層、日常業務と業務システム向けの中位層、暗号化データ検出や分散処理を含む業務上位層、そしてデジタルフォレンジックやモバイル解析を含む上位層に分かれています。さらに、特定の用途だけに絞った単機能製品や、分散処理や組み込み開発のための補完製品も用意されています。
Passware の価値は、復旧対象の幅広さだけではありません。暗号化対象の検出、攻撃方式の選択、GPU による高速化、複数マシンへの分散、バッチ処理、パスワード履歴の再利用、ハードウェアベンチマーク、モバイル抽出、証拠解析といった一連の流れを、製品群の中で段階的に拡張しやすい点にあります。そのため、単発のファイル復旧から、組織的な継続運用、法務・調査・フォレンジックまで、要件に応じた導入がしやすい構成になっています。
製品紹介
Passware ソフトウェアが対応する主な用途
Passware の製品は、正当な権限のもとで保護されたデータやシステムへのアクセス回復を行うために設計されています。エディションにより差はありますが、主な用途は次のとおりです。
- Office ファイルなどのパスワード復旧
- 一部保護の解除またはリセット
- Windows アカウント資格情報のリセット
- 暗号化ファイルやコンテナの検出
- 復旧難度の推定
- 複数ファイルに対するバッチ処理
- GPU を使った高速処理
- 複数コンピュータや対応クラウド環境への分散処理
- フルディスク暗号の復号
- メモリイメージなどからのキー抽出
- 対応モバイルデバイスからの抽出と復号
- SDK を利用した他社アプリケーションへの組み込み
この構成により、Passware は単純な「パスワードを総当たりする製品」ではなく、検出、分析、攻撃設定、分散実行、復号、抽出までを含むワークフロー型の製品群として位置付けられます。
製品ラインアップ
Passware Kit Basic
Passware Kit Basic は、基本的なパスワード復旧とローカル Windows アカウントリセット向けのエントリー製品です。日常的な文書や Web 関連の認証情報、ローカル Windows 環境のアクセス回復を重視するケースに向いています。
主な特長
- 80 以上のファイルタイプに対応
- GPU アクセラレーションに対応
- ローカル Windows アカウントのリセットに対応
- 復旧済みパスワードの履歴を保持し、類似対象へ再利用可能
適した用途
- 小規模環境での基本的なアクセス回復
- Office 系ファイルや Web 関連の認証情報復旧
- ローカル Windows 環境の継続運用対応
Passware Kit Standard
Passware Kit Standard は、120 以上の一般的な業務アプリケーションと関連ファイル形式に対応する中位製品です。Office 文書、アーカイブ、PDF、Outlook など、日常業務に関わる復旧を一通りカバーしたい場合に適しています。
主な特長
- Office ファイル、アーカイブ、PDF、Outlook、メール関連データに対応
- NVIDIA、AMD、Intel Arc の GPU を利用した高速処理
- 多くのパスワード種別で即時復旧またはリセットに対応
- ローカル Windows Administrator パスワードのリセットに対応
- パスワード履歴の保存に対応
適した用途
- 文書中心の部門
- 社内 IT・ヘルプデスク
- 日常的に発生する Office 関連のアクセス回復
Passware Kit Standard Plus
Passware Kit Standard Plus は、日常業務向けの範囲を超えて、より業務システム寄りのデータにも対応する上位製品です。210 以上のファイルタイプをサポートし、QuickBooks、FileMaker、パスワードマネージャー、Windows Server 管理者パスワードの扱いまで範囲を広げています。
主な特長
- Standard より広いファイルタイプ対応
- QuickBooks、FileMaker など業務アプリケーション系データに対応
- 1Password、Dashlane、KeePass、LastPass などのパスワードマネージャーに対応
- Windows Server Administrator パスワードのリセットに対応
- GPU アクセラレーションとガイド付き設定を利用可能
適した用途
- 会計、経理、業務システム部門を含む環境
- ワークステーションとサーバーが混在する環境
- 複数の単機能製品を一つにまとめたいケース
Passware Kit Business
Passware Kit Business は、企業内の IT 運用、情報システム、セキュリティ管理向けの上位製品です。暗号化ファイルの検出、暗号方式や強度の把握、復旧手段の見極め、バッチ処理、Resource Manager、分散・クラウド処理など、単発対応よりも継続運用を重視した機能が含まれます。
主な特長
- 380 以上のファイルタイプに対応
- 暗号化ファイルやコンテナの検出
- 暗号方式、強度、復旧オプションの可視化
- パスワードマネージャーおよびフルディスク暗号への対応
- バッチ処理に対応
- Resource Manager を利用可能
- Passware Kit Agent による分散処理と対応クラウド環境での処理に対応
適した用途
- 退職者引き継ぎに伴うアクセス回復
- 端末やサーバー上の暗号化ファイル棚卸し
- パスワードマネージャーを含む企業内調査
- 継続的なアクセス回復運用の標準化
Passware Kit Forensic
Passware Kit Forensic は、コンピュータ中心のデジタルフォレンジック向け製品です。390 以上のファイルタイプに対応し、電子証拠の発見、バッチ処理、フルディスク復号、メモリ解析、複数 Agent の管理までを含む、本格的な調査ワークフローに対応します。
主な特長
- 390 以上のファイルタイプに対応
- 電子証拠を前提にした復旧・復号ワークフロー
- 複数対象へのバッチパスワード復旧
- 主要なフルディスク暗号方式に対応
- Resource Manager による Agent 管理
- 標準で 5 Agent を同梱
- Device Decryption Add-on を追加可能
適した用途
- デジタルフォレンジック調査
- 複数証拠媒体の一括処理
- ディスクイメージや暗号化コンテナの解析
- メモリイメージを活用した復号支援
Passware Kit Mobile
Passware Kit Mobile は、対応する Android および iPhone を対象としたモバイルフォレンジック製品です。モバイル端末からの抽出、復号、対応デバイスに対するパスコード関連処理を重視した構成になっています。
主な特長
- 対応モバイルデバイスからのフォレンジック抽出と復号
- 対応端末におけるパターン、パスワード、PIN ロックへの対応
- 対応ワークフローでのフルファイルシステム抽出
- 対応デバイス群に対する GPU 活用型処理
- 年間ライセンスで最大 2 Agent を利用可能
- 1,100 以上のモバイルデバイスに対応
適した用途
- モバイル端末を含む調査案件
- 企業内の端末調査
- 端末抽出とデータ復号が必要なケース
Passware Kit Ultimate
Passware Kit Ultimate は、Passware の公開ラインアップにおける最上位製品です。コンピュータ、ディスク、ファイル、モバイル、デバイス復号を一つにまとめた包括的な構成で、調査範囲が広い環境に適しています。
主な特長
- コンピュータ、ディスク、ファイル、モバイルを横断する復号機能
- 390 以上のファイルタイプに対応
- 1,100 以上のモバイルデバイスに対応
- Device Decryption Add-on を含む
- Passware Kit Mobile を含む
- 分散処理用として 10 Agent を同梱
- 年間ライセンスおよび 3 年ライセンスを選択可能
- Air-Gapped Edition を用意
適した用途
- コンピュータとモバイルの両方を扱う調査環境
- 複数領域の復号を一つの製品群に集約したいケース
- より高い拡張性と包括性を求める高度な解析環境
単機能製品
Passware には、特定用途に絞って導入しやすい単機能製品もあります。
Windows Key Basic
ローカル Windows アカウントのリセットを主目的とした製品です。Windows アカウント回復のみを必要とする場合に適しています。
Windows Key Business
Windows ワークステーション、サーバー、ドメイン寄りのシナリオまで視野に入れた上位版です。より広い Windows 環境の資格情報リセットに向いています。
QuickBooks Key
QuickBooks データベースのアクセス回復に特化した製品です。会計・経理用途で QuickBooks を扱う環境に適しています。
FileMaker Key
FileMaker データベースの保護解除やアクセス回復に特化した製品です。FileMaker 中心の運用に向いています。
Excel Key / Word Key / PDF Key
- Excel Key は Excel ファイル向け
- Word Key は Word 文書向け
- PDF Key は Adobe Acrobat PDF のパスワード復旧向け
必要な対象が明確な場合は、こうした単機能製品から導入しやすい構成になっています。
分散処理・拡張・開発向け製品
Passware Kit Agent
Passware Kit Agent は、分散パスワード復旧を行うためのワーカーモジュールです。Business、Forensic、Ultimate、および対応する Mobile ワークフローで利用され、Windows と Linux 上で動作します。複数 CPU や GPU を備えたマシンを処理ノードとして活用できます。
Device Decryption Add-on
Device Decryption Add-on は、Forensic または Ultimate を拡張し、特定のハードウェア保護デバイスに対応範囲を広げる製品です。TPM を用いる BitLocker の一部シナリオ、特定の Lenovo ThinkPad、Western Digital、Seagate、LaCie、Transcend の一部製品、Apple T2 搭載 Mac などが対象に含まれます。
Passware Kit Forensic .NET SDK
Passware Kit Forensic .NET SDK は、Passware の復号・検出機能を他社製ソフトウェアや独自プラットフォームに組み込むための開発向け製品です。260 以上のファイルタイプやフルディスク暗号関連ワークフローを扱える構成になっています。
Rainbow Tables for Office / Rainbow Tables for Windows
これらは、対応する旧世代環境で予測可能な時間での復旧を支援する追加製品です。
- Rainbow Tables for Office は旧世代 Word / Excel 向け
- Rainbow Tables for Windows は NTLM ハッシュからの Windows パスワード復旧向け
コア技術と主な機能
暗号化ファイル検出と復旧難度の把握
Passware の上位エディションでは、実際に復旧処理を始める前に、暗号化ファイル、コンテナ、ハードディスクイメージを検出し、暗号方式や復旧難度の目安を把握できます。これにより、どの対象から優先的に処理すべきかを判断しやすくなります。
この機能の利点は次のとおりです。
- 処理前の見通しを立てやすい
- 計算資源の無駄を減らしやすい
- 技術担当者と意思決定者の間で状況共有しやすい
多様な攻撃設定
Passware は単純な総当たりのみではなく、複数の攻撃方式を使い分けられる構成になっています。基本攻撃、拡張攻撃、グルーピング方式、Apply Rules を含むルールベースの調整、文字の大小変換、置換、文字順変更などに対応し、実際のパスワード傾向に合わせた試行が可能です。
代表的な考え方は次のとおりです。
- 辞書ベースの攻撃は、業務用語や組織固有語が含まれる場合に有効
- 総当たりは、短いパスワードや規則性の薄い文字列に有効
- マスク指定は、桁数や構成がある程度分かっている場合に有効
- 既知パスワードや過去パスワードの流用は、再利用傾向のある環境で有効
- ルール適用は、実際の利用者が行いがちな変形を再現しやすい
GPU アクセラレーション
Passware の大きな特長の一つが GPU 活用です。対応製品では NVIDIA、AMD、Intel Arc の GPU を使って復旧速度を高めることができます。CPU のみで処理する場合に比べ、探索可能な範囲を大きく広げられる点が重要です。
GPU 活用の意義は次のとおりです。
- 同じ時間でより多くの候補を試せる
- ハードウェア投資を処理能力に直結させやすい
- 実運用に合わせた性能計画を立てやすい
ただし、処理速度の向上は復旧成功を保証するものではなく、実際の結果は暗号方式、ファイル形式、攻撃設定、CPU、GPU、ソフトウェアバージョンなどによって変わります。
分散処理と Resource Manager
Business、Forensic、Ultimate では、複数の Windows / Linux マシンや対応クラウド環境へ処理を分散できます。さらに Resource Manager を利用することで、各 Agent の状態や処理進捗を一元管理しやすくなります。Mobile でもライセンス範囲内で分散処理を利用できます。
この仕組みにより、単一マシンでの処理に比べて次のような利点があります。
- 既存の計算資源を有効活用しやすい
- 長時間ジョブを複数ノードへ分散できる
- 処理全体の進行状況を把握しやすい
- 調査や復旧案件の規模拡大に対応しやすい
バッチ処理とパスワード履歴の再利用
Passware の価値は、一つのファイルを個別に処理することだけにとどまりません。Business 以上の上位製品では、複数対象へのバッチ処理に対応し、継続的な案件で効率を高めやすくなっています。また、復旧済みパスワードを履歴として保存し、類似対象へ再利用できるため、同一環境や同一利用者群での繰り返し案件に向いています。
フルディスク復号とメモリ解析
Passware の上位製品は、ファイル単位の復旧だけでなく、フルディスク暗号や暗号化コンテナにも対応します。APFS、Apple DMG、BitLocker、FileVault2、LUKS / LUKS2、PGP、TrueCrypt、VeraCrypt など、主要な暗号方式を対象にしています。
さらに、メモリイメージなどからのキー抽出や関連情報の取得に対応するため、単なる推測型の復旧だけではなく、システム状態を踏まえた復号ワークフローを構築しやすくなっています。これは、調査やフォレンジックの現場で特に重要です。
モバイル抽出とデータ復号
Passware Kit Mobile と Passware Kit Ultimate では、対応する Android / iPhone に対する抽出と復号を扱えます。対象によって差はありますが、パスコード関連処理、ロック状態の端末からの抽出、フルファイルシステム抽出、抽出済みユーザーデータの復号などが可能です。
この領域では、単なる端末ロック解除だけではなく、取得したデータを調査可能な形に持ち込めるかどうかが重要になります。Passware はその点を含めたモバイルフォレンジック向け構成を備えています。
導入メリット
1. パスワード復旧と復号の運用を標準化しやすい
組織では、PDF 用、アーカイブ用、Windows リセット用、会計ソフト用など、用途ごとに別々のツールが増えやすくなります。Passware は、単機能製品から包括製品まで同一製品群の中で選べるため、運用ルールや作業手順をそろえやすくなります。
2. 処理速度の向上を図りやすい
GPU 活用、分散処理、バッチ処理、パスワード履歴の再利用などにより、実務上の処理時間短縮を図りやすくなります。特に、案件数が多い環境や大規模ジョブでは、単一マシン中心の運用との差が出やすくなります。
3. 手作業の重複を減らしやすい
暗号方式の確認、対象の選別、攻撃設定の作成、処理の分配、結果の把握といった作業を製品群の中でまとめやすくなり、複数ツール間の行き来を減らしやすくなります。
4. 幅広い保護対象に対応しやすい
文書、アーカイブ、PDF、メール、Windows アカウント、パスワードマネージャー、データベース、フルディスク暗号、モバイル端末まで、対象に応じて製品を選べるため、用途が広がっても同系統の環境で対応しやすくなります。
5. 小さく始めて段階的に拡張しやすい
単機能製品や Basic / Standard から始めて、必要に応じて Business、Forensic、Ultimate、Mobile へ広げられるため、導入段階に応じた選択がしやすくなっています。
6. 計算資源の計画を立てやすい
ハードウェアベンチマークや GPU 活用を前提にした設計により、どの程度の処理能力が必要かを具体的に考えやすく、既存ハードウェアの再活用にもつなげやすい構成です。
活用例
1. 退職者引き継ぎ時の業務データアクセス回復
退職者が管理していた Word、Excel、PDF、アーカイブ、メールデータなどへアクセスできなくなった場合、Standard、Standard Plus、Business が有力な候補になります。対象が多い場合や暗号化対象の洗い出しが必要な場合は Business が適しています。
2. 会計・業務データの復旧
QuickBooks や FileMaker を扱う環境では、QuickBooks Key、FileMaker Key、または Standard Plus 以上の製品が適しています。単一用途であれば単機能製品、周辺データも含めて扱うなら Standard Plus 以上が選びやすくなります。
3. Windows アカウントのリセット
Windows のローカルアカウントや管理者アカウントの問題に対しては、Windows Key Basic / Business、または複数機能を含む Passware Kit 製品が候補になります。Windows 環境全体を視野に入れる場合は Business 以上が向いています。
4. 暗号化ファイルの棚卸しと優先順位付け
暗号化ファイルがどこに存在するか、どの程度の難度かを把握したい場合は、Business や Forensic が有効です。処理に入る前に対象を可視化しやすくなります。
5. 法務・コンプライアンス対応
レビュー対象の PDF、Office 文書、アーカイブ、メールデータが保護されている場合、Standard、Standard Plus、Business、Forensic などが活用しやすくなります。対象数が多い場合は、バッチ処理の価値が大きくなります。
6. コンピュータ中心のデジタルフォレンジック
ラップトップ、ディスクイメージ、暗号化コンテナ、メモリ、保護ファイルをまたぐ調査では、Forensic や Ultimate が中心になります。より広い調査範囲やデバイス対応が必要な場合は Ultimate が適しています。
7. モバイル端末を含む調査
Android や iPhone が対象に含まれる場合は、Passware Kit Mobile または Ultimate が候補になります。端末抽出とデータ復号を重視する場合に適しています。
8. 既存ハードウェアを活かした処理能力拡張
GPU 搭載マシンが既にある環境では、Agent と Resource Manager を活用することで、復旧・復号処理を複数ノードへ分散しやすくなります。
9. 他社ソフトウェアや社内システムへの組み込み
独自プラットフォームや既存の調査基盤に復号機能を組み込みたい場合は、Passware Kit Forensic .NET SDK が適しています。
製品選定ガイド
Passware Kit Basic が向くケース
- 基本的なパスワード復旧とローカル Windows リセットが中心
- 複雑な業務データやフォレンジック機能は不要
- まずは低い導入負荷で始めたい
Passware Kit Standard が向くケース
- Office、アーカイブ、PDF、Outlook などの一般業務ファイルが中心
- 日常的なドキュメント復旧を一つにまとめたい
Passware Kit Standard Plus が向くケース
- QuickBooks、FileMaker、パスワードマネージャーも対象に含まれる
- Windows Server 管理者パスワードにも対応したい
- 業務システム寄りの対象まで扱いたい
Passware Kit Business が向くケース
- 暗号化ファイルの検出と難度把握が必要
- バッチ処理、Resource Manager、分散処理を活用したい
- 企業内で継続的にアクセス回復を行う
Passware Kit Forensic が向くケース
- コンピュータ中心のデジタルフォレンジックが主目的
- フルディスク復号、メモリ解析、複数証拠の一括処理が必要
- 標準で複数 Agent を利用したい
Passware Kit Mobile が向くケース
- モバイル端末の抽出と復号が中心
- Android / iPhone を含む調査案件が多い
Passware Kit Ultimate が向くケース
- コンピュータ、ディスク、ファイル、モバイル、デバイス保護を横断して扱う
- 最も広い対応範囲を必要とする
- 複数機能を一つの上位製品に集約したい
Windows Key Basic / Business が向くケース
- Windows アカウントリセットが主目的
- ファイル復旧よりも Windows 資格情報対応を重視する
QuickBooks Key / FileMaker Key / Excel Key / Word Key / PDF Key が向くケース
- 対象が一種類に明確に限定されている
- 必要な機能だけを導入したい
Passware Kit Forensic .NET SDK が向くケース
- 独自ソフトウェアに復号機能を組み込みたい
- OEM、ラボ基盤、調査プラットフォーム開発を行う
一般的な競合製品との違い
1. 単機能型から包括型まで段階的に選べる
一般的な競合製品には、単機能ツールとしては強いものの対応範囲が狭い製品や、逆に高度だが対象が限定される製品があります。Passware は、単機能製品から包括的な上位製品まで段階的な選択肢を持つため、用途に応じて広げやすい構成です。
2. 検出から復号までの流れを一つの製品群で組みやすい
暗号化対象の検出、難度把握、攻撃設定、GPU 活用、分散処理、バッチ実行、復号という流れが分断されにくく、複数の工程を同じ製品群で扱いやすい点が特長です。
3. 業務用途からフォレンジックまでをまたぎやすい
一般的な製品は、業務向けファイル復旧に強いもの、Windows 管理に強いもの、フォレンジック専用のものなど、用途が分かれていることがあります。Passware は、文書復旧から企業運用、電子証拠解析、モバイルフォレンジックまで段階的に広げられます。
4. ハードウェア活用を前提にしやすい
GPU アクセラレーションや分散処理、ハードウェアベンチマークを活用しやすい構成のため、既存設備を使った処理能力拡張を考えやすい点も特徴です。
5. SDK による組み込みに対応する
一般的なエンドユーザー向け製品と異なり、Passware には .NET SDK があり、独自のプラットフォームや他社製システムへの組み込みを前提にした展開も可能です。
6. ハードウェア保護デバイスやモバイルまで拡張できる
単なる文書ファイルのパスワード復旧にとどまらず、フルディスク暗号、ハードウェア保護デバイス、対応モバイル端末まで対象を広げられる点は、より複雑な環境に向いています。
FAQ
Passware Kit Business、Forensic、Mobile、Ultimate の違いは何ですか?
Business は企業内運用向けで、暗号化ファイル検出、難度把握、パスワードマネージャー対応、フルディスク暗号対応、バッチ処理、Resource Manager、分散処理を重視した構成です。Forensic はコンピュータ中心のデジタルフォレンジック向けで、標準 Agent、電子証拠向けワークフロー、メモリ解析、複数対象処理を含みます。Mobile はモバイル端末向け、Ultimate はそれらを横断的に統合した最上位版です。
一般的な企業内 IT 部門にはどのエディションが向いていますか?
一般的な業務ファイル中心なら Standard または Standard Plus、暗号化ファイル検出や継続的な運用、分散処理まで必要なら Business が適しています。
Office 文書、アーカイブ、PDF、メール関連ファイルに対応していますか?
はい。対応範囲はエディションにより異なりますが、Standard 以上では Office 文書、アーカイブ、PDF、Outlook / PST を含む一般的な業務ファイルに幅広く対応します。
QuickBooks や FileMaker に対応していますか?
はい。QuickBooks Key、FileMaker Key の単機能製品があり、Standard Plus 以上ではより広い製品の中で扱えます。
PDF のパスワード復旧や保護解除に対応していますか?
はい。PDF Key および Standard 以上の製品で、対応する PDF のパスワード復旧や保護解除関連ワークフローを扱えます。
Windows パスワードのリセットに対応していますか?
はい。Windows Key Basic / Business に加え、複数の Passware Kit 製品でも Windows 関連のリセット機能を利用できます。
フルディスク暗号に対応していますか?
はい。Business、Forensic、Ultimate では、APFS、Apple DMG、BitLocker、FileVault2、LUKS / LUKS2、PGP、TrueCrypt、VeraCrypt など主要な方式に対応します。
モバイル端末の抽出や復号に対応していますか?
はい。Passware Kit Mobile および Ultimate で、対応する Android / iPhone の抽出と復号ワークフローを扱えます。
Passware Kit Mobile はどのような用途に向いていますか?
モバイル端末を含む調査、企業内端末調査、モバイルフォレンジック案件に適しています。
Device Decryption Add-on とは何ですか?
Forensic または Ultimate に対して、特定のハードウェア保護デバイスや TPM 関連シナリオへの対応範囲を広げる追加製品です。
1 台のワークステーションを超えて処理を広げられますか?
はい。対応エディションでは、Windows / Linux マシンや対応クラウド環境へ処理を分散できます。Resource Manager により全体管理もしやすくなります。
Agent はいくつ含まれますか?
Business は分散処理に対応しますが標準同梱 Agent はありません。Forensic は 5 Agent、Ultimate は 10 Agent、Mobile の年間ライセンスでは最大 2 Agent を利用できます。
GPU アクセラレーションに対応していますか?
はい。対応製品では NVIDIA、AMD、Intel Arc の GPU を利用して高速処理を行えます。
SDK はありますか?
はい。Passware Kit Forensic .NET SDK が用意されており、他社ソフトウェアや独自システムへの組み込みに対応します。
まとめ
Passware は、単なるパスワード復旧ツールではなく、文書、アーカイブ、PDF、メール、Windows アカウント、パスワードマネージャー、フルディスク暗号、モバイル端末、電子証拠解析までを段階的にカバーできるソフトウェア製品群です。
Basic、Standard、Standard Plus は日常業務や部門利用に向き、Business は継続運用や暗号化ファイル検出、分散処理を含む企業向け用途に適しています。Forensic はコンピュータ中心のデジタルフォレンジック向け、Mobile はモバイルフォレンジック向け、Ultimate はそれらを統合した最上位製品です。
さらに、Windows Key、QuickBooks Key、FileMaker Key、Excel Key、Word Key、PDF Key などの単機能製品、Agent、Device Decryption Add-on、.NET SDK といった補完製品も用意されているため、必要な範囲に応じて導入しやすい構成になっています。
導入時に重要なのは、対象がどこまで広いか、単一ファイルの復旧が中心か、企業全体の継続運用か、フォレンジック調査か、モバイル端末まで含むかという観点で整理することです。Passware はその違いに応じて選びやすい製品体系を持つ点が強みです。
メーカーの製品サイトhttps://www.passware.com/
【言語】英語


