目次
1. 概要
Octoparse:製品概要と価値提案
Octoparseは、ノーコードでWebスクレイピング/データ抽出を行うソフトウェアです。ポイント&クリックで作るビジュアルなワークフローに加えて、AI支援のAuto-detect(自動検出)により、抽出設定の立ち上げを速めます。タスクはローカル(PC上)でも、クラウド抽出でも実行でき、継続的・反復的なデータ収集を運用として回しやすい設計です。
企業のIT部門・データ部門にとっての価値は、単にデータが取れることよりも、収集・スケジュール・監視・出力(連携)までを“運用プロセス”として標準化できる点にあります。代表的な機能として、スケジューリング、タスク実行状況の可視化、通知機能、複数の出力先(Excel/CSV/JSON/XML/HTML、データベース、Googleスプレッドシートなど)が挙げられます。
また、抽出した結果をシステムに組み込みたい場合は、API(Data API / OpenAPI)を介して結果を取得し、社内アプリや自動化パイプラインに連携する運用も可能です。さらにクラウド抽出では、複数ジョブの並列実行など、単一PCに依存しない形での継続運用を実現しやすくなります。
コード中心のスクレイピング(独自開発のScrapy/Playwrightなど)と比べると、Octoparseはビジュアル設計・テンプレート・クラウド運用によって、開発や保守の負荷を下げやすいアプローチです。一方で、最適なツール選定は対象サイトの仕様や複雑さ、求める統制・運用要件によって変わるため、重要サイトでの小規模検証(パイロット)を前提に評価することが現実的です。
2. Octoparseとは
現代の企業は、商品カタログ、マーケットプレイスの出品情報、店舗情報、レビュー、求人、ニュース、規制関連情報、パートナーディレクトリなど、外部Webデータを意思決定に活用する機会が増えています。課題は「データがあるか」ではなく、継続的に、壊れにくく、下流システムで使える形で集められるか、そしてそれを行うための保守負荷をどれだけ抑えられるかです。
Octoparseは、Webページを構造化データとして取り出すためのノーコード/タスク型スクレイピングソフトウェアです。ローカル実行とクラウド抽出の両方を前提に、繰り返し・定期的な収集を運用として回すことを想定しています。
主なポイントは次のとおりです。
- Webデータ収集を、手作業や個別スクリプトではなく、タスク・スケジュール・監視・出力として標準化する
- ノーコードのビジュアル設計とAI Auto-detectで、よくある抽出シナリオの立ち上げを速め、特定エンジニア依存を下げる
- クラウド抽出により、単一端末に依存せず、継続運用や並列実行でスケールさせる
- Excel/CSV/JSON/XML/HTML、データベース、Googleスプレッドシート、APIなど、複数の連携パターンに対応しやすい
3. 製品の基本構造
タスク中心の考え方
Octoparseはタスクという単位でスクレイピングを管理します。タスクには、訪問するページ、クリックやページ遷移、抽出する項目、ページングやスクロールなどの挙動が定義されます。作成したタスクは繰り返し実行でき、ローカルまたはクラウドで動かし、結果を出力します。
典型的なパイプライン(4段階)
- 入力範囲の定義
- 開始URL(リストページ、検索結果、カテゴリ、個別URLなど)
- 単ページ/一覧→詳細/多段遷移などの設計
- 抽出設計
- クリック選択またはAuto-detectで、繰り返し要素と項目を抽出
- ページング、無限スクロール、クリック展開、遷移のルールを追加
- 動的ページやインタラクションの扱いを設計(必要に応じて)
- 実行方式
- ローカル実行(PC上)
- クラウド抽出(スケジュール運用、並列実行など)
- データの受け渡し(出力・連携)
- ファイル(Excel/CSV/JSON/XML/HTML)
- データベース(例:PostgreSQL、SQL Server、MySQL、Oracleなど)
- Googleスプレッドシート
- APIによる結果取得(Data API / OpenAPI)
4. ノーコード+AI Auto-detect
Octoparseは、HTML解析やセレクタ実装を前提とせず、画面上で対象要素を選ぶことで抽出ルールを組み立てるノーコード設計を重視します。さらにAuto-detectにより、ページ構造から一覧や項目候補を推定し、初期ワークフローの叩き台を作ることで、設定開始を速めます。
「AIがすべて自動でやる」ことではなく、次のような運用上のメリットです。
- よくある構造(一覧、テーブル、カード型)での初期設定が速い
- パターンが似たサイトやページでの立ち上げ時間を短縮しやすい
- ワークフローは編集可能で、担当者が検証・調整できる
5. ローカル実行とクラウド抽出
Octoparseはローカル実行とクラウド抽出の両方を想定しています。企業の現実的な運用モデルでは、次の分担が扱いやすいケースが多いです。
ローカルで設計・検証
- タスク作成
- 抽出項目、ページ遷移、データ品質の検証
- 想定通りに取れているか、欠損や重複がないかの確認
クラウドで本番運用
- 定期実行(スケジュール)
- 複数タスクの同時実行(並列運用)
- PCを常時稼働させる前提を避ける
- 実行状況の把握と運用を集約
6. データ出力と連携(ファイル/DB/スプレッドシート/API)
Webスクレイピングの価値は、抽出そのものよりも使える形で渡せるかで決まります。Octoparseは複数の出力経路を提供し、部門や用途に合わせた連携を組みやすい設計です。
代表的な出力先
- ファイル出力:Excel、CSV、JSON、XML、HTML
- データベース出力:例)PostgreSQL、SQL Server、MySQL、Oracle
- Googleスプレッドシート
- API(Data API / OpenAPI):結果取得や、連携パイプラインへの組み込み
連携パターン例(ガバナンス観点)
- 分析担当向け:定期実行 → Excel/CSV → BIで利用
- データ基盤向け:定期実行 → JSON/CSV → DWH/レイクへ取り込み
- 業務システム向け:DB/スプレッドシート/ API → ダッシュボードやアプリに統合
7. テンプレート(初期立ち上げを加速)
社内での導入初期は「まず最初のデータセットを早く出す」ことがボトルネックになりがちです。Octoparseのテンプレート(事前に用意されたタスク)は、よくある対象サイトやパターンに対して、短時間でデータ抽出を始められることを狙っています。
テンプレートが有効な場面は次の通りです。
- 早期にPoC(価値検証)を回したい
- 典型的なサイト構造で、最初の立ち上げを短縮したい
- 社内利用者の教育コストを下げたい
8. 導入効果
1)手作業を、反復可能な抽出ワークフローへ置き換える
コピー&ペースト、目視チェック、手動収集は、継続運用でコストが膨らみます。タスクとして定義し定期実行できるようにすると、担当者の時間を「収集」から「検証・分析」へ移しやすくなります。
2)一般的な抽出ニーズで、エンジニア依存を下げる
コード中心の開発は柔軟ですが、要件定義から保守まで継続的な工数が発生します。ノーコード+Auto-detectは、一般的な抽出パターンでの立ち上げを速め、属人化リスクの低減に寄与します。
3)クラウド抽出で、PC依存を減らしスケールさせる
「タスクが多い」「更新頻度が高い」「同時に複数サイトを回したい」といった要件では、クラウド実行の価値が出やすくなります。
4)出力と連携の選択肢で、段階的に運用を成熟させる
最初はExcel/CSVで始め、次にDBやAPI連携に移行する、といった段階的な拡張が可能です。
5)運用可視化(監視・通知)の導入がしやすい
本番運用では「実行できたか」「結果が正しいか」「失敗時にどう気づくか」が重要です。通知や監視の設計によって、運用品質を高めやすくなります。
9. 他の選択肢との比較
ツール比較は、運用モデルで整理すると判断しやすくなります。
- ノーコード/ビジュアル型(Octoparseなど)
- API中心のスクレイピングサービス/プラットフォーム
- コード中心のフレームワーク(独自開発)
ノーコード系は立ち上げやすさに強みがあり、非常に複雑・高負荷・厳格な要件ではコード中心の方が適する場合もあります。重要サイトでの小規模検証を行い、成功基準(欠損率、安定性、更新頻度、連携)に照らして判断するのが確実です。
10. 企業ユースケース例
1)競合価格・品揃えモニタリング(EC/小売)
- カテゴリ→商品詳細の抽出
- 定期実行で価格・在庫・レビューを更新
- CSV/DB/APIで分析基盤へ連携
2)マーケットプレイスの出品・レビュー追跡
- 出品情報やレビュー要素を抽出
- 定期実行で変化を追跡
- レポートやダッシュボードに連携
3)リード獲得/拠点情報(ディレクトリ・マップ)
- 企業リスト、住所、電話、評価などの抽出
- CRMや営業リスト整備に活用
- 重複排除のキー設計を用意
4)求人情報の収集(HR分析)
- 職種、勤務地、スキル、日付、URLなど
- 定期収集してトレンド分析
5)サプライヤー/パートナー探索(調達・リスク)
- 公開ディレクトリから候補を抽出
- 追加調査・与信・リスク評価の入口データに
6)公開情報の更新監視(リスク・コンプライアンス)
- ポリシー変更、告知、ディスクロージャの更新を定期チェック
- タイムスタンプ付きで記録し監査性を高める
7)リサーチ用データ収集(アナリスト)
- 複数ソースを定期収集し、分析用データセットを形成
11. FAQ
Q1. Octoparseはノーコードツールですか?誰向けですか?
ノーコードでスクレイピングタスクを作成でき、非エンジニアでも扱いやすい一方で、業務用途の反復運用(定期実行・連携)も想定した設計です。
Q2. 動的サイト(AJAX等)にも対応できますか?
動的な挙動を前提にした設計思想がありますが、実際の可否は対象サイトの仕様に左右されるため、重要サイトでのパイロット検証が推奨されます。
Q3. ローカルとクラウドはどう使い分けますか?
設計・検証はローカル、定期実行や継続運用はクラウド、という分担が現実的です。
Q4. 定期実行(スケジュール)はできますか?
定期実行を前提に運用設計を組むことができます。
Q5. 出力形式は?
Excel、CSV、JSON、XML、HTMLなどのファイル出力に加え、DBやGoogleスプレッドシートへの連携など、複数の受け渡しパターンを想定できます。
Q6. データベースへ直接出力できますか?
DBへの受け渡しを想定した運用設計が可能です(利用するDB種別や方式は要件に合わせて設計します)。
Q7. API連携はできますか?
抽出結果の取得を中心に、API経由でシステム連携する設計が可能です。
Q8. CAPTCHAへの対応は?
CAPTCHAが発生しうる前提で、運用側の監視・例外処理・手順を含めて設計することが重要です。
Q9. プロキシ関連の設定は?
対象サイトの条件や運用方式に応じて、プロキシ活用を含めたアクセス戦略を検討できます。
Q10. 同時にどれくらいのクラウドタスクを回せますか?
並列運用の考え方はありますが、実際の同時実行数は契約内容や運用条件に依存するため、必要量から逆算して設計するのが現実的です。
https://www.octoparse.com/
【言語】英語


