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【海運リスク対策】主要チョークポイントの船舶動向を可視化するLloyd’s List Intelligence


はじめに:主要航路の変化を正確に把握する重要性

ホルムズ海峡や紅海をはじめとする 世界の主要航路では、 地政学的な緊張や船舶への攻撃、 航路変更など、 海上輸送に影響を与える さまざまな事象が発生しています。

特定海域の安全性が低下すると、 船舶が通常とは異なる航路を選択したり、 海峡の通航を見合わせたりすることで、 船舶の流れが大きく変化することがあります。

また、 AIS信号が確認できない、 信号が断続的になる、 航跡が途中で途切れるなど、 通常のAIS画面だけでは 船舶の動きを十分に把握できない場合もあります。

海峡通航の混乱は、 船舶の安全だけでなく、 輸送日数、原油や石油製品の供給、 船舶用燃料の価格、 サプライチェーン全体にも 影響を及ぼします。

このような不確実性の高い状況で、 海運リスクを正しく評価するには、 個別のニュースだけでなく、 実際の船舶通航データに基づいて 海域全体の変化を把握することが重要です。

当社が取り扱う Lloyd’s List Intelligenceでは、 主要な海上チョークポイントの 船舶通航状況を可視化・分析する Transit Trackerを利用できます。


主要3拠点の通航状況をダッシュボードで可視化

Lloyd’s List Intelligenceの Transit Trackerでは、 国際海上輸送にとって重要な 主要チョークポイントの通航状況を 専用ダッシュボードで確認できます。

対象となる主な地点は、 次の3拠点です。

  • ホルムズ海峡
  • バブ・エル・マンデブ海峡
  • スエズ運河

ホルムズ海峡

ホルムズ海峡は、 ペルシャ湾とオマーン湾を結ぶ 重要な海上チョークポイントです。

原油、石油製品、 LNGなどを輸送するタンカーの 通航動向を把握するうえで、 特に重要な海域となっています。

バブ・エル・マンデブ海峡

バブ・エル・マンデブ海峡は、 紅海とアデン湾を結ぶ海峡です。

スエズ運河を利用する船舶の 主要な通航ルートであり、 タンカー、コンテナ船、 ばら積み船、自動車運搬船など、 幅広い船種が航行しています。

スエズ運河

スエズ運河は、 地中海と紅海を結び、 アジア、中東、欧州間の 海上輸送を支える重要なルートです。

スエズ運河の通航量や 船種構成の変化を確認することで、 主要サプライチェーンへの影響を 把握しやすくなります。


任意の期間で船舶動向を比較・分析

Transit Trackerでは、 確認したい期間を指定し、 船舶通航の推移や変化を 比較できます。

特定時点の船舶数を見るだけでなく、 複数の期間を比較することで、 海域全体でどのような変化が 起きているのかを分析できます。

主に次のような情報を 確認できます。

  • 期間別の通航船舶数
  • 船種別の内訳
  • 航行方向別の通航状況
  • インバウンドとアウトバウンドの比較
  • タンカーの通航動向
  • ダークトランジットの活動状況
  • チョークポイントごとの通航量推移

船種別の内訳

タンカー、ばら積み船、 コンテナ船、一般貨物船、 自動車運搬船など、 通航した船舶を 船種別に確認できます。

海域全体の通航量が 減少しているのか、 特定の船種だけが 航路を変更しているのかを 判断する際に役立ちます。

航行方向

海峡や運河を通過する船舶について、 インバウンドとアウトバウンドの 動きを確認できます。

特定海域へ向かう船舶が 減少しているのか、 海域から退出する船舶が 増加しているのかなど、 方向別の変化を把握できます。

タンカーの通航動向

原油タンカーや 石油製品タンカーなどの 通航状況を確認できます。

エネルギー輸送、 原油や石油製品の供給、 港湾利用、燃料供給などへの 影響を分析するための 情報として活用できます。


ダークトランジットを含めた海域の実態把握

船舶の動向を調査する場合、 AIS画面に通常どおり 表示されている船舶だけでは、 実際の通航状況を 十分に把握できないことがあります。

AIS信号が確認できない、 信号が断続的である、 航跡が途中で途切れているなど、 通常のAISデータだけでは 追跡しにくい航行が存在するためです。

このような通常のAIS追跡では 捉えにくい通航は、 ダークトランジット と呼ばれます。

ただし、 AIS信号が確認できない理由は 必ずしも意図的な追跡回避に 限られるものではありません。

通信環境、機器の状態、 データ受信範囲など、 さまざまな要因によって 航跡が不完全になる場合があります。

Transit Trackerでは、 ダークトランジットも 分析項目として扱われています。

通常のAIS画面上に 表示されている船舶数だけでなく、 追跡が難しい通航も含めて 分析することで、 海域全体の実態に近い状況を 把握しやすくなります。

制裁対象船舶、 所有関係が複雑な船舶、 通常とは異なる航行パターンを持つ船舶などを 調査する際にも、 重要な判断材料となります。


専門家による人的検証でデータの信頼性を向上

Transit Trackerの大きな特徴は、 データに海事専門家による 検証が加えられていることです。

取得されたAISデータを システムで自動集計するだけでなく、 Lloyd’s List Intelligenceの Maritime Intelligence Unitに 所属する専門家が 内容を確認しています。

AIS信号が不完全な船舶、 複数の通航ルートが存在する海域、 通常とは異なる航行パターンなどは、 自動処理されたデータだけでは 判断が難しい場合があります。

例えば、 航跡が途中で途切れている場合、 実際に海峡を通過したのか、 別の航路を利用したのかを AISデータだけで判断できないことがあります。

専門家による ヒューマンバリデーションを加えることで、 主要チョークポイントにおける 船舶通航の状況を、 より高い精度で評価できます。

海運リスクの評価、 運航計画、 社内報告、 顧客向けの分析など、 正確性が求められる業務において 信頼できる判断材料を提供します。


海域全体と個別船舶を組み合わせて調査

Transit Trackerでは、 特定海域における 船舶通航の全体的な傾向を 確認できます。

一方で、 具体的な船舶を詳しく調査する場合には、 Lloyd’s List Intelligenceの 船舶情報サービス Seasearcherを 組み合わせて利用できます。

例えば、 次のような流れで 調査を進めることができます。

  1. Transit Trackerで海域全体の通航量を確認する
  2. 変化が大きい船種や航行方向を特定する
  3. Seasearcherで関連する個別船舶を検索する
  4. 船舶情報や位置情報を確認する
  5. 個船の動きと海域全体の傾向を関連付けて評価する

全体の通航量だけを確認しても、 どの船舶や船種が 変化に関係しているのかまでは 分からない場合があります。

反対に、 個別船舶だけを追跡しても、 その動きが海域全体の傾向と 一致しているのか、 例外的なものなのかを 判断しにくいことがあります。

Transit TrackerとSeasearcherを 組み合わせることで、 海域全体の変化と 個別船舶の動向 の両面から分析できます。


海運・物流・保険などにおける活用

Lloyd’s List Intelligenceの 船舶通航データは、 海運業界だけでなく、 物流、保険、金融、 エネルギーなど、 幅広い分野で活用できます。

船主・船舶運航会社

主要海峡の通航状況、 航行方向、 船種別の動向を確認し、 運航計画や航路リスクの 評価に活用できます。

通航量の減少や 迂回の動きを早期に把握することで、 航路選択や運航判断に必要な 情報を得られます。

荷主・物流事業者

船舶の通航量や 航路変更の動きを確認し、 輸送遅延やサプライチェーンへの 影響を分析できます。

特定海域を利用する 船種や船舶の動向を把握することで、 代替輸送や在庫計画を 検討する際の参考情報となります。

保険会社・金融機関

船舶、運航会社、 航行海域などに関する リスク評価や デューデリジェンスを支援します。

高リスク海域の通航状況や ダークトランジットを含む 船舶動向を確認することで、 より多角的な評価が可能になります。

エネルギー・商品市場関係者

原油、石油製品、 LNGなどを輸送する タンカーの通航動向を確認し、 海上輸送や供給への影響を 分析できます。

主要海峡の通航状況と タンカーの流れを把握することで、 エネルギー市場を分析する際の 判断材料として活用できます。

調査機関・コンサルティング会社

一定期間の通航量、 船種構成、 航行方向などを比較し、 調査レポートや 顧客向け分析の根拠として 利用できます。

専門家による検証を加えたデータを 利用することで、 客観的な情報に基づく 説明や提案を行いやすくなります。


まとめ

世界の海上輸送は、 ホルムズ海峡、 バブ・エル・マンデブ海峡、 スエズ運河などの 主要チョークポイントに 大きく依存しています。

これらの海域で 通航量の減少や 航路変更が発生すると、 船舶の運航だけでなく、 物流、エネルギー供給、 保険、金融、 サプライチェーン全体へ 影響が広がる可能性があります。

Lloyd’s List Intelligenceの Transit Trackerでは、 現在利用できる機能として、 次のような情報を確認できます。

  • 主要チョークポイントの通航量推移
  • 船種別の内訳
  • インバウンドとアウトバウンド
  • タンカーの通航動向
  • ダークトランジットの活動状況
  • 指定期間ごとの比較
  • 専門家による人的検証を加えた通航評価

Transit Trackerで 海域全体の変化を把握し、 Seasearcherで 個別船舶の情報を確認することで、 マクロとミクロの両面から 船舶動向を分析できます。

通航量、船種、航行方向、 タンカーの流れ、 ダークトランジットを 一つの流れとして確認すること が、 複雑化する海運リスクを 評価するうえで重要なポイントです。

現在の船舶通航データに基づいて リスクを可視化することで、 運航、物流、保険、 投資、コンプライアンスなどに関する 迅速な意思決定を支援します。

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