Maltego

情報の点と点をつなぐ!OSINT・サイバー調査を加速させる「Maltego」の強み


はじめに:断片的な情報から「意味のあるつながり」を見つける難しさ

サイバー攻撃、不正取引、なりすまし、情報漏えい、ブランド悪用、取引先リスクなど、企業や組織が向き合う調査テーマは年々複雑になっています。
調査対象となる情報も、IPアドレス、ドメイン、メールアドレス、SNSアカウント、企業情報、人物情報、暗号資産アドレス、漏えい情報など多岐にわたります。

こうした調査で難しいのは、情報が足りないことだけではありません。
むしろ、複数のツールやデータソースに情報が分散し、どの情報同士が関係しているのかを短時間で判断しにくいことが大きな課題です。

重要なのは、個々の情報を単独で確認することではなく、点在する情報をつなぎ、全体像として理解できる状態にすることです。
Maltegoは、この「点と点をつなぐ」調査を支援し、OSINTやサイバー調査のスピードと精度を高めるために活用できます。


外部データと内部データを横断して調査できる

調査の現場では、公開情報だけで結論を出せるケースは多くありません。
外部のOSINTや商用データに加えて、自社が保有するログ、顧客情報、チケット情報、過去のインシデント情報などを組み合わせて確認する必要があります。

Maltegoでは、Data Passや各種Connectorsを通じて、サイバー脅威インテリジェンス、企業情報、暗号資産、漏えい情報、ダークウェブ関連情報など、調査用途に応じたデータを呼び出せます。
さらに、Connector BuilderやカスタムTransformを活用すれば、社内DB、SIEM、SOAR、チケット管理システム、独自APIなどの内部データとも連携できます。

これにより、外部から見える情報と、自社がすでに持っている情報を分断せずに確認できます。
複数の画面を行き来して手作業で照合する負担を減らし、調査の見落としや判断の遅れを抑えやすくなります。


大量の調査データを一覧表で確認しているだけでは、重要な関係性を見逃してしまうことがあります。
たとえば、複数の不審ドメインが同じメールアドレス、同じネームサーバー、同じSNSアカウント、同じ暗号資産アドレスとつながっている場合、単体のデータだけでは全体像を把握しにくいものです。

Maltegoのリンク分析では、人物、組織、ドメイン、IPアドレス、メールアドレス、電話番号、ユーザー名、SNSアカウントなどをグラフ上に配置し、それぞれの関係性を視覚的に整理できます。
一見すると無関係に見える情報同士のつながりを直感的に確認でき、仮説の立案や深掘り調査を進めやすくなります。

調査では、「どの情報が重要か」を早く見極めることが成果に直結します。
グラフで関係性を可視化することで、調査対象の中心、周辺にある重要ノード、共通点、異常なつながりを把握しやすくなります。


検索・分析・共有までを一連の流れで進められる

調査業務では、検索、情報収集、関連付け、分析、共有、報告が別々の作業になりがちです。
検索結果をスプレッドシートに貼り付け、別のツールで図を作り、さらに別の場所で報告資料を作るような運用では、時間がかかるだけでなく、情報の抜け漏れも起きやすくなります。

Maltegoでは、検索を起点に調査を始め、必要な情報をグラフ上で展開し、関係性を確認しながら調査を深められます。
Maltego Graphでは複雑な関係性を可視化し、Maltego Searchでは素早い検索から調査の入口を作り、Maltego Casesでは調査内容をケース単位で保存・共有できます。

これにより、担当者の頭の中だけにある調査経緯を、チームで共有しやすい形に残せます。
引き継ぎ、レビュー、上長への説明、他部門との連携が必要な場面でも、調査の流れを整理しやすくなります。


サイバー調査だけで終わらない幅広い活用領域

Maltegoは、サイバー脅威インテリジェンスやOSINT調査だけでなく、複数の調査領域で活用できます。
共通しているのは、どの領域でも「情報同士の関係性」を見抜くことが重要だという点です。

  • サイバーセキュリティ・脅威インテリジェンス
    IPアドレス、ドメイン、ハッシュ、メールアドレス、漏えい情報などを関連付け、攻撃インフラや関連アクターの全体像を把握しやすくします。
  • インシデント対応・脅威ハンティング
    初期IOCを起点に、関連するドメイン、インフラ、アカウント、過去の痕跡を広げて確認し、追加調査や封じ込め判断に役立てられます。
  • 金融詐欺・AML対策
    人物、法人、連絡先、口座、暗号資産アドレスなどのつながりを整理し、複雑な不正ネットワークの把握を支援します。
  • 企業調査・デューデリジェンス
    取引先、関係会社、役員、関連ドメイン、オンライン上の痕跡を横断的に確認し、リスク評価の材料を整理できます。
  • ブランド悪用・なりすまし対策
    偽サイト、なりすましアカウント、関連ドメイン、SNS上の痕跡を関連付け、対応優先度の判断に役立てられます。

調査対象がサイバー領域であっても、金融犯罪、企業リスク、人物調査とつながることは珍しくありません。
Maltegoは、こうした領域横断の調査で、情報を同じ視点から整理できる点が強みです。


チーム運用と調査品質の標準化に役立つ

調査業務では、担当者ごとの経験やスキルによって、確認する観点や深掘りの順序が変わりやすくなります。
ベテランは自然に見ている関係性でも、経験の浅いメンバーには見落としが発生することがあります。

Maltego Casesを利用すると、調査内容をケース単位で保存し、関係者と共有できます。
どの情報を起点に、どのような関連性を確認し、どの判断に至ったのかを残しやすいため、チームレビューや引き継ぎにも役立ちます。

また、Maltego Adminでは、ユーザー、権限、製品割り当て、クレジット利用などを管理できます。
組織で利用する場合、誰がどの機能を使えるのか、どの程度データを利用しているのかを把握しやすくなり、運用管理の負担を減らせます。

調査の属人化を抑え、チーム全体で一定の品質を保つには、情報を共有できる仕組みと、利用状況を管理できる仕組みの両方が重要です。


Maltegoが調査現場にもたらす実務的な価値

Maltegoの価値は、「多くのデータにアクセスできること」だけではありません。
実務上の大きな価値は、調査担当者が判断しやすい形で情報を整理し、次に取るべき行動を見つけやすくすることです。

  • 初動調査を速くする
    調査対象を起点に関連情報を展開し、優先的に確認すべきポイントを早く見つけられます。
  • 見落としを減らす
    複数データソースの情報をグラフで結び付けることで、手作業では気づきにくい関係性を確認できます。
  • 説明しやすくする
    関係性を可視化できるため、調査結果を上長、他部門、顧客、関係機関へ説明しやすくなります。
  • 調査手順を標準化する
    ケース管理や共有機能を活用することで、調査プロセスをチーム内で再利用しやすくなります。
  • 既存データを活かす
    外部データだけでなく、社内データや既存システムとの連携により、自社が持つ情報資産を調査に活用できます。

セキュリティやリスク調査では、単に情報を集めるだけでは不十分です。
集めた情報をどう関連付け、どう判断し、どう共有するかが、調査の質を左右します。


まとめ:調査のスピードと説明力を高めるなら、関係性の可視化が重要

OSINTやサイバー調査では、情報の量が増えるほど、何が本当に重要なのかを見極めることが難しくなります。
IPアドレス、ドメイン、人物、組織、SNSアカウント、漏えい情報、内部データなどが分散している状態では、全体像を把握するまでに時間がかかります。

Maltegoを活用することで、外部データと内部データを横断しながら、情報同士の関係性をグラフで整理できます。
調査の初動を速め、見落としを減らし、チームで共有しやすい形に残せる点は、セキュリティ、リスク管理、不正調査、デューデリジェンスの現場で大きな強みになります。

重要なのは、情報をただ集めることではありません。
点在する情報をつなぎ、判断できる形に変えることです。
Maltegoは、そのための調査基盤として、実務に即したリンク分析と可視化を支援します。

当ブログでは今後も、セキュリティと実務運用の両面から役立つ情報を発信してまいります。
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