目次
サマリー
ProtoPie は、コードを書かずにマルチモーダルな体験を現実的な手触りで検証できるエンタープライズ対応のプロトタイピングソフトウェアです。スイートは Studio(作成)、Connect(マルチデバイス・ハードウェア・API 連携)、Cloud(共有・レビュー・ハンドオフ)、Player(実機再生)で構成。Figma/Sketch/Adobe XD から取り込み、トリガー/レスポンス、変数/フォーミュラで複雑なロジックや動きも再現します。音声(STT/TTS)やセンサー入力をはじめ、外部データの取り込みで動的なフローやエラー状態まで試せます。ハンドオフでは Interaction Recordings と自動スペックにより、タイミング・イージング・プロパティ変化を数値で共有。再現性を高め、手戻りを抑制します。セキュリティ面では SSO(SAML 2.0/OIDC・Enterprise 対応)、パスワード保護リンクや(Enterprise の)リンク有効期限、Enterprise Cloud(AWS) とオンプレミスを選べるデプロイメントを用意。iOS/Android の Player で現場やリモートでも実機検証が可能です。モバイル/ウェブ、車載 HMI、ウェアラブル、TV/10 フィート UI、IoT など、複数デバイス連携やハードウェア in the loop が鍵となる場面で特に効果を発揮します。
製品紹介(Product Introduction)
ProtoPie スイートの全体像
ProtoPie は、コードを書かずに“本番さながら”の振る舞いを再現できるエンタープライズ対応のプロトタイピングソフトウェアです。スイートは以下のコンポーネントで構成されます。
- ProtoPie Studio(オーサリング):トリガー(きっかけ)とレスポンス(挙動)を組み合わせ、画面遷移・モーション・状態変化・データ反映などをノーコードで構築。
- ProtoPie Connect(連携・オーケストレーション):複数デバイスの連携、ハードウェア/センサー、外部APIとのデータ連携を統合。複数画面/複数デバイスの同期も可能。
- ProtoPie Cloud(共有・レビュー・ハンドオフ):チームや関係者へ安全に配布し、コメント・レビュー・バージョン管理・ハンドオフを実現。
- ProtoPie Player(実機テスト):iOS/Android 端末上での実機検証をサポート。実際のタッチ/センサー/ネットワーク環境に近い感覚で評価できます。
注:プランやエディションにより利用できる機能や提供形態は異なる場合があります。
ノーコードで作る“本物らしい”インタラクション
ProtoPie は、トリガー(タップ、ドラッグ、タイマー、シーンの開始など)とレスポンス(移動、スケール、回転、透明度、音声再生、条件分岐など)を視覚的に組み合わせて、複雑な挙動を構築できます。変数とフォーミュラを使うことで、状態管理、入力検証、分岐ロジック、算術/文字列処理まで幅広く表現可能。プロトタイプは単なる“見た目”を超え、速度感・遷移タイミング・反応性まで検証できます。
デザインツールからのインポート
日々のデザイン資産はそのまま活かせます。Figma/Sketch/Adobe XD からのインポートに対応し、レイヤー構造やコンポーネントを引き継いで素早く着手。既存のデザインシステム運用にもフィットします。
プラン比較(Pro Plus / Enterprise)
| 区分 / 機能 | Pro Plus | Enterprise |
|---|---|---|
| プロトタイピング | ||
| 作成可能なパイ/シーン | 無制限 | 無制限 |
| チームクラウドストレージ | 10GB | 100GB |
| クラウド保存 / ローカルパイ保存 | ○ | ○ |
| ハンドオフ(Interaction Recordings / スペック) | ○ | ○ |
| Connect Core | ○ | ○ |
| Connect Enterprise | ✕ | ○ |
| Connect Embedded | ✕ | アドオン |
| コラボレーション | ||
| チーム数 | ひとチーム | 複数 |
| 個人/チームライブラリ | ○ | ○ |
| チームマネジメント | ✕ | ○ |
| カスタムフォント対応 | ✕ | ○ |
| 共有:パスワード/招待/共有リンク | ○ | ○ |
| 共有:リンク有効期限 | ✕ | ○ |
| セキュリティ / 運用 | ||
| サーバー | パブリック | プライベート |
| オンプレミス | ✕ | アドオン |
| ライセンス管理 | ○ | ○ |
| SSO(SAML 2.0 / OIDC) | ✕ | ○ |
| ログ分析 | ✕ | アドオン |
| サポート | ||
| 専任アカウントマネージャー | ○ | ○ |
| 専任カスタマーサクセスマネージャー | ○ | ○ |
| トレーニング | ○ | ○ |
| 専門サービス | アドオン | アドオン |
注記:
・Connect Enterprise はカスタムプラグインやブリッジアプリ、スマートウォッチ、Unity などの高度連携に対応する上位ティアです。
・Connect Embedded は Raspberry Pi 等のエンベデッド環境でのスタンドアロン実行を可能にする Enterprise 向けアドオンです(オフライン動作に対応)。
・リンク有効期限、SSO、プライベートサーバー/オンプレミス は Enterprise 限定(オンプレはアドオン)です。
導入メリット(Benefits of Implementation)
意思決定の高速化と開発効率
- 理解のズレを初期段階で解消:本物に近い挙動をステークホルダーに提示できるため、仕様解釈の相違を早期に発見し、修正コストを最小化。
- 反復速度の向上:ノーコードで“試す→直す”を高速に繰り返せるため、フィードバックサイクルが短縮。モック→PoC→実装の移行がスムーズに。
- チームスループットの向上:公式事例では、UI生産性の大幅向上やワークフローの加速、コスト/工数の削減が報告されています(環境により異なります)。
開発者ハンドオフの正確性
- Interaction Recordings により、操作と画面挙動を記録・共有。タイミング/イージング/プロパティ変化まで可視化され、実装時の再現性が向上。
- 自動生成されるスペックで、細部のやり取りを減らし、開発開始を迅速化。
品質・リスク低減
- リアリスティックな検証:遷移速度、エッジケース、エラー状態、オフライン時の振る舞いなどを事前に検証し、ローンチ後の手戻りを抑制。
- ユーザビリティテストの信頼性向上:高忠実度のプロトタイプは被験者の反応を引き出しやすく、調査から得られる示唆の質が上がります。
IT統制・拡張性・運用性
- SSO(SAML 2.0 / OIDC)をサポート(Enterprise 対応)。
- パスワード保護/リンク有効期限(Enterprise) などの共有コントロール。
- Enterprise Cloud(AWS)/オンプレミス から選べるデプロイメント。
主要機能(Feature Deep-Dive)
ProtoPie Studio(オーサリング)
- トリガー/レスポンス:タップ、ドラッグ、ロングプレス、キー入力、スクロール、センサーイベント、時間経過などを起点に多彩なレスポンスを設定。
- 時間制御とモーション:ディレイ、反復、イージング、スプリング等のモーションコントロール。
- コンポーネント化:再利用可能なコンポーネントで設計資産をモジュール化。ステート管理やパラメータ渡しにも対応。
- レイアウト/レスポンシブ:ブレークポイントや相対配置を活用して、デバイス/画面サイズ差を検証。
ProtoPie Connect(デバイス・ハードウェア・API連携)
- 複数デバイス/複数画面の同期:スマートフォン+タブレット+外部ディスプレイなど、セカンドスクリーンや連携体験を再現。
- API プラグイン:REST/JSON 等のデータを取り込み、リアルタイムでプロトタイプに反映。動的な一覧、バリデーション、フィルタリング等を構築。
- ハードウェア/センサー連携:マイク、加速度、コンパス、近接、サウンド入力、ボタン/ゲームパッドなどの入力を取り込み、現実に近い“モノの挙動”を検証。
- 拡張性:チームの要件に応じてカスタマイズしやすい拡張ポイントを備え、外部サービスや既存社内システムとの橋渡しを実現。
注:具体的なプラグイン/拡張の可用性や利用条件はエディションによって異なる場合があります。
ProtoPie Cloud(共有・レビュー・ハンドオフ)
- 安全な共有:リンク共有、アクセス権コントロール、パスワード保護に対応。必要に応じてリンク有効期限(Enterprise)を設定可能。
- レビュー/コメント:フィードバックを一元管理。バージョン履歴も追跡でき、意思決定過程を可視化。
- ハンドオフ:Interaction Recordings と自動スペックで、設計の意図を具体的な数値・時間軸で伝達。
ProtoPie Player(実機テスト)
- iOS/Android アプリとして提供。プロトタイプを実機で再生し、実際のタッチ/ジェスチャ/センサーの感触を確認可能。
- 現場/顧客先でも:軽量な実行環境で、ステークホルダーの目の前で検証・合意形成が行えます。
音声・センサー・マルチモーダル
- 音声プロトタイピング:STT(音声→テキスト)/TTS(テキスト→音声)により、音声入力/読み上げ UI を検証。
- センサー駆動:加速度、ジャイロ、方位、近接、音量などの入力を契機に自然な挙動を再現。
変数・フォーミュラでのロジック表現
- 状態管理:入力値の保持、フラグの管理、条件分岐。
- データ処理:文字列処理、計算、日付/時間処理などで、“見せかけではない”動的挙動を作り込み。
ワークフロー設計(From Idea to Handoff)
要件定義・仮説設計
- 事業目標/KPI、ユーザーストーリー、主要タスク、エッジケースを洗い出し、検証すべき体験(look・feel・speed・error handling)を明確化。
デザインアセットのインポートと振る舞い付与
- Figma/Sketch/XD から取り込んだ UI をベースに、ProtoPie Studio でトリガー/レスポンス/変数/フォーミュラを組み上げ、高忠実度プロトタイプを短時間で生成。
連携・オーケストレーション
- 必要に応じて ProtoPie Connect で API データ・複数デバイス連携・ハードウェア入力を統合。セカンドスクリーンやデバイス間ハンドオフといった体験を再現。
共有・レビュー・バージョン管理
- ProtoPie Cloud でリンク共有、コメント収集、履歴管理。パスワード保護や(Enterprise の場合)リンク期限で外部共有も安全に運用。
ハンドオフ・受け入れ基準の明確化
- Interaction Recordings と自動スペックで、時間軸・数値・プロパティ変化を開発へ正確に伝達。受け入れ基準(Definition of Done)を明文化し、リワークを最小化。
セキュリティとコンプライアンス
SSO・アクセス制御
- SSO(SAML 2.0 / OIDC)に対応(Enterprise)。社内 ID 管理や MFA ポリシーと連携し、安全に大規模展開。
安全な共有(パスワード・リンク有効期限)
- パスワード保護リンクで安全に配布。リンク有効期限(Enterprise)により、外部共有を時間で制御し、コンテンツの漏えいリスクを抑制。
セキュリティ姿勢と監査
- セキュリティはISO 27001 / 27701に整合する姿勢で設計・運用。監査やセキュリティレビューに必要な情報を提供しやすく、調達/監査プロセスにも対応しやすいのが特長です。
デプロイメントオプション
- Enterprise Cloud(AWS) もしくは オンプレミス を選択可能(オンプレは Enterprise のアドオン)。法規制やデータレジデンシー要件に応じて適切な運用形態を選べます。
ユースケース(業界・チャネル別)
モバイル/ウェブアプリ
- サインアップ→オンボーディングの体験、検索/フィルター、カート→決済、オフライン/エラー時のハンドリングなど、現実的なフローと応答性を検証。
自動車/HMI
- インストルメントパネル、ヘッドユニット、セカンドディスプレイの連携。視線/認知負荷に配慮した遷移タイミングとモーションを評価。
ウェアラブル/IoT
- センサー入力やデバイス間連携を前提とした体験を再現。軽量な操作とフィードバックをミリ秒単位で検証可能。
テレビ/10フィートUI
- リモコン/ゲームパッド操作を想定し、フォーカスマネジメントや遅延の許容度を現実的に検証。
公共・インフラ/エンタープライズ業務アプリ
- 誤操作防止や監査要件を満たすフロー、ロール/権限に応じた表示/操作の差分、ログ/アラートの扱いを事前に検討。
部門別の価値
デザイン/プロダクト
- 挙動の“手触り”まで含めた実体験で合意形成。仮説→検証→改善のリズムを高速化。
エンジニアリング
- Interaction Recordings と自動スペックにより、再現に必要な数値情報を受領。実装の迷いと手戻りを削減。
UXリサーチ
- 高忠実度プロトタイプで被験者の自然な行動を引き出し、学習効果/期待効果を抑えた信頼性の高いデータを取得。
IT/セキュリティ/DesignOps
- SSO・アクセス制御・安全な共有・選べるデプロイメントにより、統制とアジリティを両立。運用標準化にも寄与。
競合比較と差別化ポイント
一般的な比較観点
- 表現力:モーション、状態管理、センサー/音声、外部データ、複数デバイス連携の再現幅。
- 再現性:速度感、イージング、エッジケース、エラー処理まで含めた“製品らしさ”の検証度。
- ハンドオフの精度:操作記録、時系列、プロパティの明示と仕様化のしやすさ。
- 運用/統制:アクセス制御、共有の安全性、SSO、デプロイの選択肢。
- 拡張性:API 連携、ハードウェア in the loop、チームの拡張ポイント。
選定の決め手(一般論)
- 要件適合性:対象領域(モバイル/業務/HMI 等)に必要な挙動をノーコードで再現できるか。
- チーム運用:レビュー、権限、バージョン管理、ハンドオフの一貫性。
- スケール耐性:ユーザー数、並行プロジェクト数、ガイドライン順守のしやすさ。
- セキュリティ/コンプライアンス:ID 統合、共有コントロール、監査対応。
- TCO:学習コスト、運用工数、リワーク削減効果。
このアプローチが有効な理由
- 仕様の曖昧さを早期に解消し、実装の迷いを減らす。
- “体験の手触り”を定量/定性で共有し、判断のスピードと精度を上げる。
- 統制とアジリティを両立し、プロジェクト間の再現性を確保する。
FAQ(よくある質問)
Q1. デザインツールからの移行はどれくらいスムーズですか?
A. Figma/Sketch/XD からインポートでき、レイヤーや構造を活かしたまま振る舞いを追加できます。
Q2. コードを書く必要はありますか?
A. いいえ。トリガー/レスポンス/変数/フォーミュラを使って、複雑な挙動をノーコードで構築できます。
Q3. 実機でのテストは可能ですか?
A. はい。ProtoPie Player(iOS/Android)で実機テストが可能です。
Q4. 外部サービスや社内システムのデータを使えますか?
A. はい。ProtoPie Connect のAPI プラグインで REST/JSON などのデータを取得してプロトタイプへ反映できます。
Q5. セキュリティや統制に対応できますか?
A. はい。SSO(SAML 2.0 / OIDC)(Enterprise)、パスワード保護、リンク有効期限(Enterprise)などのコントロールに対応しています。デプロイメントも Enterprise Cloud(AWS)かオンプレミスから選択可能です。
Q6. ハンドオフはどの程度“正確”ですか?
A. Interaction Recordings と自動スペックにより、タイミング/イージング/プロパティ変化などの実装再現に必要な情報を提供します。
Q7. 大規模なチームでも運用できますか?
A. はい。レビュー/コメント/権限管理/SSO(Enterprise)など、スケール運用に必要な機能を備えています。
Q8. どの業界に向いていますか?
A. モバイル/ウェブ、HMI、ウェアラブル/IoT、テレビ/10フィートUI、公共/業務システムなど、複雑な挙動や連携が重視される領域に適しています。
Q9. 既存のデザインシステムと併用できますか?
A. はい。インポートとコンポーネント化により、設計資産の再利用とガバナンスを両立できます。
メーカーの製品サイト
https://www.protopie.io/
【言語】英語



