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OVITOは、粒子・原子スケールのシミュレーションデータを高速に可視化・解析して洞察を引き出す、研究者向けの科学可視化ソフトウェアです。

OVITO

商品コード:
10013333*12

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メーカー:
OVITO GmbH
JANコード:
10002868
関連カテゴリ:
ビジネス&学習 > データ解析

目次


概要

OVITO Pro(Open Visualization ToolのProfessional版)は、粒子ベースのシミュレーション向けに設計された科学可視化・解析ソフトウェアです。2009年から専門科学者のチームにより開発され、学術・産業の両分野で、原子・分子シミュレーションデータの解析に広く採用されています。小規模な ab initio モデルから、1億粒子超の大規模系まで、研究者・エンジニアが結果を可視化・探索・解釈できるように支援します。直観的なGUIでリアルタイム3D表示とインタラクティブ解析を実現し、モディファイア(操作)を適用して、広範なプログラミングなしにパターン、欠陥、物性を検出できます。

OVITOには、表面同定、空隙・空孔解析、Voronoi分割、転位解析(DXA)、粒界セグメンテーションなど、構造・挙動の深い理解に役立つ解析機能が豊富に揃っています。高品質レンダリングエンジン(TachyonOSPRayNVIDIA VisRTX)により、論文掲載レベルの画像・アニメーションを生成でき、マルチビューポートや比較可視化でシミュレーション同士の並列比較も容易です。

OVITO Proの重要な強みは、Pythonによる自動化と拡張性です。GUIで構築したワークフローをそのまま実行可能なPythonスクリプトとしてエクスポートしたり、独自の解析ルーチンやファイルリーダーを記述してデータパイプラインに組み込んだりできます(注:OVITOのPythonモジュール自体は無償で利用可能。OVITO Proはワークフロー→スクリプト出力やユーザー定義モディファイアのGUI統合などの利便機能を追加します)。

OVITOはLAMMPS、VASP、GROMACS、XYZ、PDBなど幅広いデータ形式をサポートし、OVITO Proでは(パイプラインのデータソースとして)LAMMPSを起動して即時に可視化するなど、外部ツールとの連携も可能です。

導入面では、各プロジェクトごとに独自の可視化コードを作る必要を減らし、R&Dのサイクルを加速します。モディファイアを鎖のようにつなぐパイプラインにより、パラメータを変更して即時にフィードバックを得られ、生産性が向上します。ライセンスは年間のシートベース(個人・グループ)で、ライセンス期間内は解析回数のメータリングなしOVITO Proカスタマーフォーラムとメールによるプロフェッショナルサポートが含まれ、予測しやすくコスト効率に優れます。1万4千件超の研究論文で引用されている信頼性も評価され、材料科学・工学・計算科学の成果可視化・解析・共有を一元的に支えるプラットフォームです。


OVITO Pro:製品概要と価値提案

OVITO Proは、粒子ベースのシミュレーションに特化した高度な可視化・解析アプリケーションです。ドイツの専門チームが2009年から開発を継続し、材料科学、物理、化学、ナノテクノロジーなどの分野で、MDやMonte Carloなどが生み出す大容量データの効率的な解析・解釈を支援します。

コア価値:多様な種類・規模のデータをインタラクティブに探索できます。小さな結晶から1億粒子級まで対応し、GPU加速も含む効率的なデータ処理・描画で大規模モデルを支援します(実際の性能はハードウェアやシーンの複雑さ、レンダラー設定に依存します)。

使いやすさと深さ:ユーザーフレンドリーなGUIと高度機能を両立。プログラミングに不慣れな研究者・エンジニアでもリアルタイムに読み込み・解析・可視化が可能。パワーユーザーはPythonで拡張・自動化できます。

エンドツーエンドのワークフロー:3D可視化、定量解析、データ操作、高品質アウトプットまでカバー。OVITOのパイプラインでインタラクティブにフィルタ・計算・変換し、論文レベルの画像を生成したり、処理済みデータをエクスポートしたりできます。


製品紹介

本章では、UI/ワークフロー、解析機能、可視化、スクリプト・自動化、性能、他ソフトとの相互運用など、OVITO Proの主要機能を紹介します。

直感的なユーザーインターフェースとワークフロー

GUIはデータパイプラインの概念(データソース→モディファイア群→レンダリング)に基づき、非破壊編集で試行錯誤が容易です。3Dビューポート、タイムライン、パイプラインエディタ、数値インスペクタ(ヒストグラム、配位数など)を備え、パラメータを調整すると3D表示と表が即座に更新されます。選択・フィルタ機能により、原子/粒子のクリック識別、タイプ・領域・しきい値に基づく選択、選択範囲への限定的な解析適用が可能で、粒界や欠陥クラスタなどの局所解析に適します。豊富なドキュメント、チュートリアル、ツールチップ、コンテキストヘルプが学習コストを下げ、再利用可能なワークフロー構築を促します。

包括的なデータ解析機能

(エディションにより利用範囲は異なります。OVITO Proは追加モディファイアや拡張機能を提供します)

  • 幾何・トポロジー:表面検出、空隙・空洞解析、Voronoi分割で局所構造や自由体積を評価。
  • 変位・変形:参照構造に対する変位ベクトル、局所/アフィンひずみテンソル、変形場を色やベクトルで可視化。
  • 構造同定・欠陥PTMCNAでFCC/BCC/HCP/アモルファス等を自動分類。DXAで転位線を抽出。点欠陥や積層欠陥などの検出ツール。
  • ミクロ組織:粒界セグメンテーション(粒の識別・サイズ・方位)、クラスタ解析(不連結粒子群の検出)。
  • 時系列・統計:時間平均、フレーム間の物性追跡、ヒストグラム・分布(結合長、配位数など)、内部プロットやエクスポート。
  • カスタム計算Pythonによるユーザー定義モディファイアで独自アルゴリズムを実装。コミュニティ拡張で機能を容易に拡張。

高度な可視化とレンダリング

  • 多様な3D表現:球、楕円体、スーパー二次曲面(立方体/ボックスを含む)、カスタム形状。分子モデルの結合表示、配位多面体の描画。
  • 軌跡・ベクトル場:軌跡線で粒子の移動経路を可視化。変位・速度・力などのベクトル量を矢印で表現。
  • メッシュ・体積データ:グリッド/メッシュ、ボクセルや等値面でスカラー場(電荷密度、温度など)を表示。粒子と表面・ボリュームの重ね合わせが可能。
  • 高品質レンダリングTachyonOSPRayNVIDIA VisRTXによるパストレーシングで影・反射・被写界深度を表現。高品質ビューを保ったまま視点調整も可能。
  • 比較可視化:分割ビューと複数パイプラインでデータセットや時刻・条件の比較を同期表示。
  • 注釈・オーバーレイ:テキスト、ロゴ、スケールバー、フレーム番号、データプロット、LaTeX画像などをオーバーレイ(スクリプトで制御)。
  • エクスポート:高解像度画像・動画、glTFなどの3Dシーン出力、処理済みデータ(XYZ、LAMMPS等)のエクスポート。

Pythonスクリプトと自動化

  • OVITO Pythonモジュール(無償):「ovito」 を標準Python環境に導入し、読み込み・モディファイア適用・計算・レンダリングを自動化。バッチ処理やサーバ/HPC向けに最適。
  • スクリプト書き出し(Pro):GUIワークフローをPythonスクリプトとして出力し、手動解析から自動解析への移行を簡素化。
  • カスタムモディファイア & 拡張:Pythonで新規アルゴリズムを実装し、OVITO ProではGUI統合も可能。コミュニティ拡張も活用。
  • Jupyter連携:NumPy/Pandasと組み合わせた再現可能な解析やインライン描画に対応。
  • ヘッドレス/HPC実行:GUIなしで動く 「ovitos」でリモート実行。大規模パイプラインへ容易に組み込み。

性能とスケーラビリティ

  • 大規模データ数千万~1億粒子級の事例で実績。空間インデクシングやレベル・オブ・ディテール等で対話性を確保。
  • 並列化とGPU:近傍探索やVoronoiなどの解析をマルチスレッド化。OpenGL/VisRTXによるGPUレンダリングに対応(応答性・速度は環境と設定に依存)。
  • HPC/クラスター:ヘッドレススクリプトやクラスター配備により、大規模処理・レンダリングを分散実行。
  • リモートデータ:OpenSSH連携でリモートファイルを直接オープンし、必要に応じてストリーミング。
  • メモリ/I-O効率:必要フレームのみのロード、圧縮形式(GSD、NetCDF、XTC等)の直接読み込み、中間データの効率的管理。

データ互換性と連携

  • 幅広い形式:LAMMPS(dump/data)、VASP(POSCAR/XDATCAR、CHGCAR)、GROMACS(GRO/XTC/TRR)、XYZ/拡張XYZ、PDB/mmCIF、AMBER/NetCDF、DL_POLY、IMDなど多数。ニッチ形式はPythonでリーダーを実装可能。
  • シミュレーション連携(例:LAMMPS):OVITO ProからLAMMPSをパイプラインのデータソースとして起動し、結果を即時可視化。
  • 相互運用:数値表(CSV/テキスト)、構造データ(XYZ、LAMMPS)、3Dシーン(glTF)の出力に対応。.ovitoステートによりパイプライン全体を保存し、再現性・共同作業を支援。

科学コミュニティからの信頼

OVITOはオープンソースとして始まり(OVITO Basicは現在も無償のオープンソース)、十年以上にわたり広く採用されています。1万4千件超の論文で引用され、原子レベルシミュレーションの定番ツールとして位置づけられています。2010年の査読論文ではOVITOの機能が正式に記述されています。OVITO GmbHは研究ニーズの変化に合わせて継続的に保守・拡張しています。


導入のメリット

  • R&Dの加速:即時の視覚フィードバックと豊富な解析で、シミュレーションから洞察までの時間を短縮。
  • 深い洞察:転位ネットワーク、拡散経路、ミクロ組織進化を可視化し、研究・設計判断を高度化。
  • 生産性と再現性:パイプラインの再利用とPython自動化で、バッチ処理を確実・効率的に実行。
  • 予測可能なコストシートベースの年額で、期間内はメータリングなし。アップデートとプロサポート込み。
  • 高品質アウトプット:論文・報告・プレゼンに耐える画像、動画、対話型3Dを提供。
  • 低い導入ハードル:クロスプラットフォーム、直感的UI、学習資料、迅速なサポートで立ち上がりが早い。
  • ツールチェーンの簡素化:可視化・定量解析・レンダリングを一つの環境で完結。

ユースケース

    材料科学・工学

    高強度合金の引張MD(数百万原子)を解析。DXAで転位ネットワークを可視化し、せん断ひずみの色分けで塑性領域を特定。粒界セグメンテーションで方位マップを作成し、再結晶の有無を追跡。アニメーションと高解像度画像で成果を共有。

    化学・ナノテク(分子系)

    溶媒中でのナノ粒子自己集合を追跡。軌跡線で凝集経路を把握、結合表示で有機被覆を表現。クラスタ解析でサイズ分布の時系列を取得し、Voronoi解析と等値面で溶媒構造化を可視化。プロセス説明用アニメーションを作成。

    学部・大学院教育

    結晶構造、欠陥、拡散を講義で可視化。学生はデータを読み込み、粒界セグメンテーションや配位解析を適用。チュートリアルとフォーラムで自習し、図表を作成。

    産業R&D・品質解析

    粒界に沿う早期き裂進展を調査。き裂前縁、偏析元素、DXAによる転位放出を可視化。実験由来のメッシュを重畳し、多尺度の整合を確認。工程改善の根拠を提示。

    HPCワークフロー

    スーパーコンピュータ上でテラバイト級の軌跡を処理。「ovitos」 によるバッチ分散、SSHでのストリーミング、VisRTXを用いたGPUレンダリング。広報向けにglTFスナップショットを出力。


    FAQ

    Q1:OVITO Basic(無償)とOVITO Proの主な違いは?
    A1: OVITO Basicはコアとなる可視化・解析機能(Python APIを含む)を提供します。OVITO Proは、追加モディファイアワークフロー→スクリプト出力ユーザー定義PythonモディファイアのGUI統合複数パイプライン/データソースによる比較高度レンダラー(Tachyon/OSPRay/VisRTX)などを拡張として提供し、プロサポートと継続アップデートが含まれます。

    Q2:対応OSは?
    A2: 64bit Windows 10/11、主要Linuxディストリビューション(Ubuntu、Red Hat、Debian、Fedora等)、macOS(Apple Silicon含む)。大規模モデルや高度レンダリングにはモダンGPUを推奨。

    Q3:自分のシミュレーションソフトのデータに対応できる?
    A3: 高い確度で対応します。LAMMPS、GROMACS、NAMD、DL_POLY、HOOMD‑blue、AMBER/CHARMM、VASP、Quantum Espresso、XYZ、PDB/mmCIFなど幅広くサポート。ニッチな形式はPythonでリーダーを追加可能。

    Q4:技術サポートは受けられる?
    A4: 受けられます。OVITO Proのユーザーは専用カスタマーフォーラムメールで開発チームからの支援を受けられます。コミュニティや詳細なドキュメントも利用可能です。

    Q5:導入・トレーニングは?
    A5: ユーザーマニュアル、チュートリアル、動画ガイドを提供。チーム向けにカスタムトレーニング(リモート/対面、例:転位解析、Python自動化)も用意されています。

    Q6:共同研究・共同作業に向いている?
    A6: はい。.ovitoステートでパイプライン全体を共有して再現可能性を確保し、Pythonスクリプトはバージョン管理で標準化。グループライセンスで複数メンバーが同時利用可能。OVITOを使わない相手には画像・動画・対話型3Dで結果を共有できます。




    メーカーの製品サイト
    https://www.ovito.org/

    【言語】英語