目次
1. サマリー
Metso は、鉱業・アグリゲート・金属業界の企業が 設計から日常運用、予知保全まで を最適化できるよう支援する、緊密に統合された 産業向けソフトウェアポートフォリオ を提供しています。主な有償製品には、フラッグシップである HSC Chemistry™ プロセスモデリングスイート、砕石・選別設計用の直感的な Bruno シミュレーションツール、ペレタイジングなど複雑工程をリアルタイム最適化する OCS‑4D™ と Optimus、粉砕・浮選・浸出を網羅するプラント全体 APC 基盤 OCT(Optimisation Control Technologies)、さらに Metso Metrics リモートモニタリング/予知保全サービスが含まれます。
これらのアプリケーションは、数十年にわたる Metso のドメイン知識をデジタル機能に落とし込み、研究開発およびプロセス設計の加速、生産量向上、製品品質改善、エネルギー・試薬消費の低減、設備稼働率向上、安全性と持続可能性の強化といった 定量的価値 を提供します。
HSC Chemistry は熱力学計算とフローシートシミュレーションを高速化し、Bruno は最適な破砕回路を構築、OCS‑4D™/Optimus および OCT はモデル予測型制御で複雑プラントを理想状態へ自動操舵、Metrics は運転データを洞察へ変換し信頼性と性能を高めます。
Metso のソフトウェアは汎用ツールと異なり、対象業界向けに特化した機器モデル、鉱物特有のデータベース、ベストプラクティス制御ロジックを組み込み、世界規模のテクニカルサポート、研修、継続的アップデートにより常に最新機能をユーザーへ提供します。これにより IT リーダーと意思決定者は既存資産の ROI を最大化し、新規プロジェクトのリスクを低減しながらデジタルトランスフォーメーションを推進できます。
2. Metso ソフトウェアソリューション:概要と価値提案
Metso は鉱業・鉱物加工・アグリゲート分野でデジタル化を戦略の中核に位置付け、データ駆動の意思決定支援、リアルタイム最適化、予知保全 を実現する有償ソフトウェア群を展開しています。
主要価値の柱
価値の柱 | 提供されるメリット |
---|---|
性能・生産性 | シミュレーションと APC がプロセスを理想条件へ近づけ、処理量と回収率を向上。 |
コスト効率 | エネルギー・試薬・保守費を削減。設計段階での誤り回避により CAPEX も最適化。 |
稼働率・信頼性 | コンディションモニタリングと予知分析が故障予兆を検知し、可用性を高める。 |
安全性・サステナビリティ | リモート操作と資源効率化で作業リスクと環境負荷を低減。 |
データ駆動文化 | 分析ツールと直感的 UI が専門知識を民主化し、スキルギャップを解消。 |
3. 製品紹介
3.1 HSC Chemistry™ ― プロセスシミュレーションと熱化学モデリング
- バージョン 10。
- 熱力学計算、フローシートシミュレーション(HSC Sim)、熱・物質収支、Pourbaix 図 等の生成、LCA 指標計算、最適化アルゴリズムを一体化。
- 単一パッケージで化学・鉱物処理・熱バランスを高速検討し、研究開発と設備設計を加速。
3.2 Bruno シミュレーションソフトウェア ― 砕石・選別プロセス最適化
- 世界 7 000 人超のユーザー。
- フィーダ、クラッシャ、スクリーンをドラッグ&ドロップで配置し、回路能力・粒度分布・装置負荷を瞬時に算出。
- 実プラントデータに基づく高精度アルゴリズムが設計ミスを防止。
- コンベヤはフローシート接続用要素として表示されるが、性能計算は破砕・選別機器が中心。
- 予備レイアウト検討には無償クラウドツール My Plant Planner も利用可能。
3.3 高度プロセス制御システム ― OCS‑4D™, Optimus & OCT プラットフォーム
- OCS‑4D™/Optimus:鉄鉱石ペレタイジング向けに開発されたモデル予測型 APC。炉温、供給量、品質を自動制御し、燃料使用量を抑制。
- OCT:粉砕・浮選・浸出・濃密など多用途に拡張可能なモジュール式 APC 基盤。
- Grinding Optimizer:RockSense™, MillSense™, PSI® を統合し、粉砕回路を安定化。
3.4 Metso Metrics & デジタルモニタリングサービス ― リモートインサイトと予知保全
- 既存 DCS/PLC 信号や Metso センサーからデータを安全にクラウド送信。
- ダッシュボード、異常検知アラート、Metso エキスパートによる分析レポートを提供。
- 予知保全により計画外停止を削減し、保守計画を最適化。
3.5 その他のデジタルツールとインテリジェント計測機器
- RockSense™(ベルト上粒度レーザ)、MillSense™(ミル荷重センサー)、FrothSense™/FrothSense+™(浮選 AI カメラ)など。
- Chamber Pro やキャビティ最適化ツールでクラッシャチャンバーを設計。
- デジタルツイン、AR/VR による研修やライニング点検支援。
4. 導入メリット
- 迅速・高精度な設計 ― HSC Chemistry と Bruno により仮説検証をバーチャルで完結し、CAPEX を適正化。
- 運転効率の向上 ― APC が最適運転点を維持し、処理量・回収率・品質を向上。
- OPEX 削減 ― 安定運転と予知保全でエネルギー・試薬・保守コストを低減。
- 稼働率向上 ― 早期警告で計画外停止を回避し、機械的ストレスを軽減。
- 品質保証 ― 粒度分布やペレット強度のばらつきを抑え、市場競争力を強化。
- 安全・環境負荷低減 ― リモート操作と効率化で作業リスクと CO₂ 排出を削減。
- 競争優位性 ― データ駆動文化と継続的改善で同業他社をリード。
5. ユースケースライブラリ
ユースケース 1 ― 新規冶金プロセス開発の加速
バッテリーリサイクル企業が HSC Chemistry を用いて浸出化学とフローシートを仮想検証。最適 pH–Eh 条件や熱収支を特定し、パイロット設計期間を大幅短縮。
ユースケース 2 ― 高能力砕石プラント設計
アグリゲート企業が Bruno で 500 tph 花崗岩プラントの 2 段・3 段フローを比較。最適機器構成とスクリーン設定を選定し、立上げ直後から定格能力を達成。
ユースケース 3 ― APC で金プラントの処理量・回収率向上
金鉱山が Grinding Optimizer と CIL Optimizer を導入。粉砕粒度と浸出条件を安定化し、処理量増加と金回収率向上、試薬使用抑制を達成。
ユースケース 4 ― モバイルクラッシャの予知保全
複数サイトを運営する採石会社が Metso Metrics で Lokotrack フリートを監視。電力・振動トレンドからライナー摩耗や軸受異常を早期検知し、計画停止で対策。
6. FAQ(よくある質問)
- Q1: Metso が提供する主なソフトウェアは?
- A: HSC Chemistry、Bruno、OCS‑4D™/Optimus、OCT 基盤の Grinding Optimizer など各種 APC、Metso Metrics、インテリジェントセンサー群。
- Q2: 汎用ツールとの違いは?
- A: 検証済み機器モデル・鉱物データベース・業界特化制御ロジックを搭載し、統合サービスを含む点で差別化。
- Q3: 既存 DCS/PLC との接続は可能?
- A: OPC UA や Modbus など標準プロトコルで連携でき、オンプレ・クラウド双方に対応。
- Q4: 期待できる効果は?
- A: プロセス条件と導入範囲に依存するが、多くの現場で処理量向上、エネルギー・試薬削減、品質安定、停止時間短縮を実現。
- Q5: 小規模事業にも適用できる?
- A: Bruno や Metrics などは単一サイト規模でも効果あり。APC は部分回路から段階導入が可能。 メーカーの製品サイト
https://www.metso.com/
【言語】英語
【動作環境】Windows