目次
次のステップ: デプロイ構成、セキュリティ強化、ライセンスの詳細検討。
1. 製品紹介
Atozed の IntraWeb と CrossTalk は、Delphi / C++Builder を用いたエンタープライズ開発に特化した製品です。
- IntraWeb: デスクトップ開発の延長で Web アプリを設計し、標準的な HTML/JavaScript として配信。プラグイン不要のイベント駆動モデル。
- CrossTalk: COM 登録なしで .NET ライブラリ を Delphi/C++Builder アプリから直接呼び出し。選択した .NET クラスから Delphi ユニットを生成し、DLL を同梱するだけで配布可能。
これらは再プラットフォームのリスクを抑え、既存スキルを活かして業務アプリや顧客向けポータルを迅速に提供します。
2. ポジショニングと対象読者
最適な組織:
- 充実した Delphi/C++Builder 資産を持ち、Web UX 近代化や .NET 連携を求める組織。
- フロント/バックを単一言語で運用し、複雑な SPA ツールチェーンを避けたい チーム。
- スタンドアロン または IIS(ISAPI) を選べる 予測可能な運用 を重視する IT 部門。
ビジネス価値:
- スピード: 既存ロジックを活用しながらブラウザ体験や .NET 連携を迅速に提供。
- 運用性: デプロイ選択肢、TLS 設定、中央監視で運用を簡素化。
- 低リスク統合: COM に伴う登録/マーシャリングの複雑さを回避。
3. IntraWeb 概要
IntraWeb は 高速 Web アプリ開発フレームワーク。コンポーネントとイベントで構成し、標準 Web として配信します。
3.1 主要機能
- イベント駆動: RAD Studio の感覚でサーバ側のイベントを記述。
- 標準出力: HTML/JavaScript によるブラウザ表示(プラグイン不要)。
- ステートフル: 複雑な業務フローを簡潔に表現。
- 内蔵 AJAX: 全画面リロードなしで応答性を確保。
- URL マッピング: わかりやすいクリーン URL。
- 圧縮: 転送量を削減。
- 拡張性: 既存コンポーネントやパターンを活用。
3.2 アーキテクチャとデプロイ
- スタンドアロン 実行
- Windows サービス として常駐
- IIS(ISAPI) による既存 Windows 基盤への統合
細かなスタンドアロンの種類などの実装差は本稿では列挙しません。環境に合う方式を選定してください。
3.3 開発ワークフロー
- VCL ライクな設計 → イベント割り当て
- 単一言語 でドメインロジック/検証/イベントを実装
- コンポーネント再利用 と既存資産の活用
- テスト容易性(ロジックは従来通り単体テスト可能)
3.4 セキュリティ/TLS
- Certificate Manager により Let’s Encrypt の取得、開発用証明書の作成、HTTP.sys へのバインド を支援
- ステートフルと TLS を前提に、認証/認可は組織標準に準拠
- HTTPS 強制、強力な暗号、資格情報ポリシー を推奨
3.5 監視と運用
- Server Monitor による ライブテレメトリ/ログ と Discord / Telegram / Email へのアラート
- 稼働状況の可視化、キャパシティ計画、インシデント対応を支援
- 複数アプリの監視標準化
3.6 互換性とサポート環境
- RAD Studio の最新系に追随
- Windows 上の Lazarus/FPC に関するインストールガイドあり
- ブラウザは標準 HTML/JS 出力で広範に対応
厳密な対応バージョンは公式の機能マトリクス等を参照してください(本稿では詳細を省略)。
3.7 ライセンスと評価版
- 評価版は開発用途で無期限
- 商用ライセンスの詳細は公式情報に従ってください
3.8 主なユースケース
- 社内ツールの近代化(VCL の延長でブラウザ化)
- 運用ダッシュボード/管理コンソール
- 顧客/パートナーポータル(フォーム中心の業務)
- 部門アプリ(スプレッドシート置換など)
3.9 実装ガイド
フェーズ1 — 評価
- 評価版を導入
- 代表画面で試作
- デプロイ方式(スタンドアロン/Windows サービス/IIS)を確認
フェーズ2 — 強化
- Certificate Manager で TLS 構成
- Server Monitor を有効化し通知チャンネルを設定
- URL マッピングと圧縮を調整
フェーズ3 — 本番運用
- 検証環境でステージング
- 監視を有効にしたまま段階的に展開
- デプロイ/バックアップ/インシデント手順を文書化
3.10 IntraWeb FAQ
Q1. ブラウザ用プラグインは必要ですか?
不要です。HTML/JavaScript を生成します。
Q2. IIS でホストできますか?
はい。IIS(ISAPI) に対応しています(スタンドアロン/Windows サービスも可)。
Q3. TLS 証明書の取得方法は?
Certificate Manager で Let’s Encrypt の取得や開発用証明書の作成を行い、必要に応じて HTTP.sys にバインドします。
Q4. 評価版は期限切れになりますか?
いいえ。開発用途で無期限です。
Q5. 対応 IDE/コンパイラは?
IntraWeb 16 は最新系 RAD Studio をサポートし、Windows 上の Lazarus/FPC についてもガイドがあります。厳密な対応は機能マトリクスを参照してください。
4. CrossTalk 概要
CrossTalk は .NET ライブラリを Delphi/C++Builder から直接呼び出す 製品で、COM 登録は不要です。
4.1 機能
- 選択した .NET クラスから Delphi ユニットを生成
- Delphi/C++Builder から .NET 型の生成とメソッド呼び出し
- アプリの横に 必要 DLL を同梱して配布(システム全体の登録不要)
4.2 サポート状況
サポート例(抜粋)
- クラス/メソッド
- イベント
- 基本型配列
- 値型/構造体
- 例外
- 32/64 ビット
未サポート
- ジェネリクス
- インターフェイス
必要に応じて .NET 側に薄いラッパーを用意し、非ジェネリック/非インターフェイス API を露出させて利用します。
4.3 典型的な統合パターン
- ベンダー提供の .NET SDK の利用(決済/ID/分析など)
- ライブラリ統合(アプリ本体は Delphi/C++、専門領域は .NET)
- 段階的モダナイズ(全面リライトや開発凍結を回避)
4.4 パッケージングとデプロイ
- COM 登録不要 でデプロイの複雑さと脆弱性を低減
- DLL/ユニットを同梱 して自己完結的に出荷
- バージョン固定やステージングなど標準的な DevOps を適用
4.5 CrossTalk FAQ
Q1. なぜ COM ではなく CrossTalk?
COM 登録 と機械単位の設定依存を避け、マーシャリングの脆弱性を最小化するためです。
Q2. ジェネリクス/インターフェイスに依存する .NET ライブラリは?
直接は不可。ラッパーで非ジェネリック/非インターフェイス API を公開してください。
Q3. 64 ビット対応は?
32/64 ビット の双方に対応しています。
5. 比較と差別化
5.1 IntraWeb vs 一般的な JS/SPA
SPA の課題: 言語/パイプラインの分断でツールチェーンが肥大化。
IntraWeb: 単一言語+イベント駆動 を維持し、標準 Web 出力を生成。ステートフルな業務フローを自然に表現できます。
ポイント:
- Delphi/C++Builder を中核に一貫
- サーバ側イベント+AJAX で応答性
- クリーン URL、ステート管理、圧縮などの最適化
- スタンドアロン / Windows サービス / IIS(ISAPI) の柔軟なデプロイ
5.2 CrossTalk vs 旧来の COM 連携
COM の痛点: 登録、GUID、ビット数不一致、システム全体設定など。
CrossTalk の価値: 登録不要 で .NET を取り込み、生成ユニット+同梱 DLL で堅牢に配布。

IntraWeb試用版ダウンロード
https://www.atozed.com/intraweb/download/eval/
メーカーの製品サイト
https://www.atozed.com/
【言語】英語


