目次
サマリー
Aquaveo は、地下水・表面水・流域・配水ネットワークをカバーする水資源モデリング向けの専門ソフト群を提供しています。中核は GMS(Groundwater Modeling System)、SMS(Surface-water Modeling System)、WMS(Watershed Modeling System)、CityWater(EPANET モデルの Web 管理)、Arc Hydro Groundwater(AHGW)(ArcGIS 拡張)、そして GSSHA を用いた新しい Web アプリ AGWA。これらは GIS を前提にした前後処理、シミュレーション管理、3D 可視化を共通環境で実現し、広く使われる数値エンジンと連携します(例:MODFLOW〔GMS〕、SRH-2D / ADCIRC / STWAVE / CMS-Flow〔SMS〕、HEC-HMS / HEC-RAS / TR-55 / TR-20 / GSSHA〔WMS〕、EPANET〔CityWater〕)。
情報システム部門や意思決定者にとっての価値は明快です。Windows デスクトップ(GMS/SMS/WMS)、Web アプリ(CityWater/AGWA)、ArcGIS 拡張(AHGW)という成熟したツールチェーンに加え、豊富なドキュメント(XMS Wiki は 8,000 ページ超)と明確なバージョン管理(例:SMS v13.4、WMS v11.3、GMS 10.8〈10.9 Beta あり〉)。概念モデルによってモデル構築のリードタイムを短縮し、チームやコンサル間のデータ交換を標準化できます。
他ツールとの位置づけ:HEC-RAS(開水路水理)や単体の EPANET(配水網)と異なり、Aquaveo は マルチモデル対応 GUI、3D 可視化、GIS 中心のワークフローを一つに統合。受け渡しや再フォーマットの手間を削減します。
代表的な成果
- GMS:GIS 駆動の概念モデルで MODFLOW 構築や物質移行解析を効率化。
- SMS:SRH-2D や ADCIRC による洪水・土砂・波浪解析を単一 3D 環境で前後処理。
- WMS:HEC-HMS、TR-55/20、HEC-RAS を統合し、分水界抽出から氾濫原マッピングへ。
- CityWater:EPANET モデルを組織で一元可視化。シナリオ比較や消火栓(Fire-Flow)チェックをブラウザで実施。
- AHGW:地下水データを ArcGIS 内に保持し、空間ガバナンスと一貫性を確保。
- AGWA:審査当局のストームウォーター変更審査を、GSSHA ベースのワークフローで標準化(例:調整池、カルバート径の見直し)。
Aquaveo 水文モデリングソフトウェア — 製品概要と価値提案
Aquaveo は、官公庁・ユーティリティ・エンジニアリング企業で広く用いられる、GIS を前提とした統合ソフト群です。GMS、SMS、WMS、CityWater(Web)、Arc Hydro Groundwater(AHGW)(ArcGIS)、AGWA(Web)をラインアップ。地下水・表面水・流域水文学・配水の各分野で、概念モデルを軸とした統一ワークフローと強力な 3D 可視化を提供します。現行の製品例として SMS v13.4、WMS v11.3、GMS 10.8(10.9 Beta あり)、CityWater v2025.08、AHGW Pro などがあります。
一目でわかる!なぜ Aquaveo か
- 一つのツールチェーンで多エンジン:MODFLOW、SRH-2D/ADCIRC/STWAVE/CMS-Flow、HEC-HMS/HEC-RAS/TR-55/TR-20/GSSHA、EPANET などの前後処理を単一 GUI で。
- GIS 中心の概念モデリング:点・線・ポリゴンで素早く堅牢にモデル構築。
- 3D 可視化:仮説検証とコミュニケーションを支える真の 3D インタラクションとアニメーション。
- 必要な所は Web で:CityWater(EPANET のブラウザ運用)、AGWA(GSSHA ベースの審査ワークフロー)。
- ArcGIS 連携:AHGW で地下水・地質データを GIS 内に保持。
- ドキュメントの厚み:XMS Wiki は 8,000 ページ超。
製品紹介
GMS — Groundwater Modeling System
概要
地下水流動・物質移行モデルの構築、キャリブレーション、可視化を行うデスクトップ環境。概念モデル手法(点・線・ポリゴン)と最適化された 3D レンダリングで反復を高速化。
対応エンジン・ユーティリティ(例)
- MODFLOW(USG/LGR 含む)(流動)、MODPATH(粒子追跡)、MT3DMS/RT3D/PHT3D/SEAWAT(移行)
- TOUGH2、FEMWATER、SEEP2D、UTEXAS、FEFLOW、HydroGeoSphere ほか
- PEST/Parallel PEST、T-PROGS、SAMG、ZONEBUDGET などを統合
選ばれる理由
- 概念モデリングでスピードと保守性を両立
- ラスタ・標高・ボーリング・CAD・ArcGIS など幅広いインポート
- Windows 環境での明確なシステム要件
SMS — Surface-water Modeling System
概要
沿岸・河川解析向けのデスクトップ環境。高度なメッシュ/グリッド、概念モデル、ハイパフォーマンス 3D 可視化を提供。
沿岸・河川エンジン(例)
- SRH-2D(2D 水理)、ADCIRC(広域循環/高潮)、STWAVE(沿岸波浪)、CMS-Flow(沿岸循環・土砂)
最近の改善点(例)
- SRH-2D インターフェースの継続的アップデート(HY-8 標高チェック、土砂フラックスプロット、収束条件の拡充 など)
選ばれる理由
- 複数の沿岸・河川モデルを単一 GUIで前処理・実行・後処理し、GIS データも一貫取り込み
WMS — Watershed Modeling System
概要
流域分割、水文学パラメータ化、雨水管路、氾濫原マッピングまでをカバーするデスクトップアプリ。
水文・水理エンジン(例)
- HEC-HMS、HEC-1、TR-55、TR-20、Rational、MODRAT、OC Rational/OC Hydrographic、HSPF、NSS
- HEC-RAS への出力・連携、GSSHA・MODClark による 2D/準分布型水文
選ばれる理由
- 自動分割、パラメータ計算、ウィザード、HEC-RAS へのシームレスな受け渡し
CityWater — EPANET モデル向け Web アプリ
概要
組織内で EPANET 配水モデルを可視化・参照・分析できるブラウザベースのシステム。計画・設計・管理者が地図ベースで素早く洞察を得てシナリオ評価。
主な機能(例)
- EPANET .INP の一元管理
- Scenario Management、Fire Flow Analysis、Pressure Zone Schematic、Energy Optimization などのアドオン
- アップロードは EPANET/WMS 由来の INP を受け付け、ネットワーク編集は EPANET または WMS で実施(再アップロードで反映)
選ばれる理由
- Web アクセスで、デスクトップインストールなしに結果共有と「What-if」を推進
Arc Hydro Groundwater (AHGW) — ArcGIS 拡張
概要
ArcGIS 上でボーリング、地質断面、地質体(Geovolume)、MODFLOW 入出力を保存・参照・可視化・地図化。
構成と互換性
- Groundwater Analyst(同梱)、Subsurface Analyst(3D 地質)、MODFLOW Analyst(MODFLOW のアーカイブ/可視化)
- ArcGIS Desktop 向けと AHGW Pro(ArcGIS Pro 向け)を提供
選ばれる理由
- アプリ間の行き来を減らし、地下水・地質のオーソリティデータを GIS 内に一元管理
AGWA — Automated GSSHA Watershed Analysis(Web アプリ)
概要
GSSHA を用いたストームウォーター/流域変更審査の Web アプリ。Detention Basin、Culvert Resize、Discharge Finder などのガイド付きワークフロー(今後の追加も想定)。
選ばれる理由
- 目的別ワークフローで GSSHA モデルを自動更新。一貫性のある迅速な審査を実現
導入メリット
組織横断のメリット
- 概念モデリングと共通 GIS 構造で GMS/SMS/WMS のモデル構築時間を短縮
- 統一 3D 可視化で QA/QC とステークホルダー説明を強化
- マルチエンジン対応により、ツール分断と再フォーマットコストを最小化
- 豊富なドキュメント(XMS Wiki 8,000 ページ超)でオンボーディングのリスク低減
- エンタープライズ適合(Windows 要件、ネットワーク/フレックスライセンスの選択肢)
製品別の価値
- GMS:MODFLOW/移行モデルの迅速構築、広範なデータ取り込み、概念編集で高速反復
- SMS:SRH-2D/ADCIRC/STWAVE/CMS-Flow を一つの環境で前後処理
- WMS:自動分割、各種水文ウィザード、雨水管路、HEC-RAS 連携で洪水解析を効率化
- CityWater:ブラウザから EPANET モデルのシナリオ比較や Fire-Flow チェック
- AHGW:ArcGIS 内で MODFLOW と地質データを管理・解析
- AGWA:GSSHA による審査ワークフローの標準化
ユースケース
地下水・地質(GMS)
- 市営井戸群の保全:ボーリング/CAD/GIS から MODFLOW を構築。水位低下・捕捉域解析、MT3DMS で移行評価
- 汚染対策計画:SEAWAT/RT3D による流動・移行の結合解析。3D/アニメーションで説明性向上
- 堤防・アースダムの浸透:SEEP2D/UTEXAS による浸透・安定検討
河川・沿岸(SMS)
- 2D 水理設計:カルバート周り、蛇行、堤防近傍などで SRH-2D。渦・横断流・再循環を評価
- 沿岸高潮・潮汐:広域は ADCIRC、沿岸波浪・土砂は STWAVE/CMS-Flow
- 土砂・地形変化:シナリオ比較を可視化し、合意形成・許認可に活用
流域・雨水・洪水(WMS)
- マスタードレナージ計画:自動分割、TR-55/20・HEC-HMS 水文、HEC-RAS 連携で水深・氾濫域を作成
- 都市改修検討:集中時間、曲線番号、貯留量などを計算。ウィザードで感度を迅速評価
- 2D 水文・予測:GSSHA/MODClark による分布/準分布型イベント解析(湛水・浸透含む)
配水ネットワーク(CityWater)
- 消火栓能力確認:Fire Flow Analysis アドオンでシナリオ横断の圧力・給水能力を評価
- エネルギー最適化:圧力ゾーンやポンプ電力の把握にアドオンを活用
- 協働レビュー:PM や計画担当が同じモデルをブラウザで共有。編集は EPANET/WMS 側で維持
GIS ネイティブ地下水管理(AHGW)
- エンタープライズ GIS 連携:ArcGIS 内で MODFLOW 入出力と地質データを管理。断面・地質体の生成で意思決定を支援
流域変更審査ワークフロー(AGWA)
- 開発行為の審査:提出された GSSHA モデルに対して Detention Basin や Culvert Resize ワークフローを適用。ピーク流量・水深への影響を可視化
aquaveo-の強み
- マルチモデル前後処理を単一 GUI で(単目的ツールの寄せ集めを回避)。データ管理と 3D を一貫提供
- 概念モデリングで GMS/SMS の構築–修正–再計算を加速
- Web と GIS 拡張を要所に配置:CityWater(ブラウザ運用)、AHGW(GIS への埋め込み)、AGWA(審査の標準化)
FAQ
Q1. どの製品から始めるべきですか?
- 地下水 → GMS(MODFLOW、移行、浸透)
- 河川/沿岸 → SMS(SRH-2D、ADCIRC、STWAVE、CMS-Flow)
- 流域/雨水 → WMS(HEC-HMS/HEC-RAS/TR-55/TR-20/GSSHA)
- 配水ネットワーク → CityWater(EPANET モデルをブラウザで)
- ArcGIS 中心 → AHGW
- ワークフロー主導の流域変更審査 → AGWA
Q2. HEC-RAS や EPANET を単独で使うのと何が違いますか?
Aquaveo は マルチモデル GUI、概念モデリング、高度な 3D 後処理を提供。HEC-RAS や EPANET は優れた計算エンジンですが、Aquaveo はそれらを広範なデータ管理と可視化で包みます。
Q3. シミュレーションエンジンは Aquaveo が開発していますか?
多くの外部エンジン(MODFLOW、SRH-2D、HEC-HMS など)と連携します。実行ファイル自体は他機関・他社のものが多く、Aquaveo は GUI と統合を提供します。
Q4. 対応 OS は?
GMS と SMS は Windows 10、WMS 11.3 は Windows 11 を掲載。導入前に計画するバージョンの要件をご確認ください。
Q5. CityWater で EPANET ネットワークを編集できますか?
CityWater は可視化・分析の中枢です。ネットワークの編集は EPANET または WMS で行い、INP を再アップロードして反映します。
Q6. AGWA の基盤モデルは?
GSSHA(2D 表面・地下過程を扱う USACE 開発モデル)です。
Q7. SMS/WMS は HEC 系ツールをサポートしますか?
はい。WMS は HEC-HMS と連携し HEC-RAS へエクスポート。SMS は SRH-2D、ADCIRC などをサポートします。
Q8. ハードウェアの検証方法は?
推奨は最新 CPU、16GB 以上の RAM、NVMe SSD。GMS/SMS/WMS の 3D 表示にはミドルレンジの NVIDIA GPU を推奨します。
https://www.aquaveo.com/
【言語】英語
【動作環境】Windows



